2016年2月13日土曜日

オーディオにとって “消磁 (DEGAUSS)” は必須作業 (?! )

オーディオにとって「帯磁」は大敵。実際のところ気にしていなかったけれど、そう言われると気になり、そんな気持ちになってしまう。
「消磁用CD」なるものも存在します。音を出すだけで磁界が変わるものか?と疑問も感じるけれど買ってしまう悲しさ。エージングもしてくれると言うのですが、やってみても効果は不明のまま。
さてここで「DEGAUSS」登場。強そうな名前の響きだが、要は「消磁」(そのまんまじゃないか・・・)。
オーディオメーカ としては聞き慣れぬ会社ですが、静岡にある「愛和」という企業(※コチラ)。
現在は第二世代だが、初号機を例によって中古でゲットしてみました。二号機の方が効果があるということだけれど中古市場で見かけないため、初号機で手を打った次第。1分強でフェードアウトして終わる「消磁モード」と、ずっと同じボリュームで切るまで続く「エージン ・モード」、更には通常モードとサブウーファー・モードもあります。
早速試してみると、最初の印象としては変化が「?」という感じだった(※過去記事はコチラ)が、その後の印象としては、端的に言えば音が軽くなる。確かに精細度が高まるのだが、それ以上に軽~い感じ。うーん、「それが本来の音」と言われてしまえばそれまでですが・・・。

さて、その「DEGAUSS」の試聴会がaudio unionお茶の水アクセサリー館であるとのことで出向いてみました。
audio union 試聴会場
先ずは新製品情報。(※同社商品ページはコチラ、当日配布資料はコチラ
「サウンドコンディショナー」と称していますが、聞けば、試聴したあるショップの方が命名されたそうな。確かに消磁だけでなく、ADコンバーターがついており、単なる「消磁器」の域は超えています。

従来機との違いは以下の如く。
  • デジタル出力端子(コアキシャルと光と両方)がついている。(アナログの音をADコンバーターでデジタル化しており、アナログ出力の方が周波数帯域は高音部に広くとっており、おススメだそう。)
  • モードは3つあり、1.業務用システム、2.ピュアオーディオ、3.ヘッドフォンを想定した用途で、発信する周波数が異なる。
  • 消磁の際の音はずっと優しくなった。(モードによって違いあり)

要はハイレゾの流行に合わせ、デジタル対応にしたのと、効果をより高い周波数に上げたそうです。その結果、価格もサイズ(体積)も8倍程度になっております! 愛和の方曰く、「自然なサウンドを醸し出すADコンバーターも内蔵して常時使用できるようにした」とのことですが・・・。

試聴会は、デジタル入力端子がついたCDプレイヤーを使用し、先ずはそのままCDを流し、次にそのままの環境で消磁した後、同じ曲を流すという手順。試聴盤は石川さゆりさんのStereoSoundのマスターCD-R(※コチラ)。
消磁は3つのモードの内の「2」で行います。その結果は、傾向としては我が家で感じたのと同じもので、音が軽くなります。特に高域が確かに軽くはなりますが精細度は上がっていて響きも美しい。初号機以上の効果かもしれません。また、中域のもたつきがより軽くなった印象が強いです。我が家では中域の変化はあまり感じられなかったので伺ってみると、初号機の中域への効果は若干弱いとか。一応印象通りと安心しました。ただ、別の参加者の印象では消磁前の方が良かったとのことで、上記のように私が我が家で感じたのと同じ傾向の印象なのだと思われます。

試聴会は続けて「3」のモードで消磁をかけてみます。既にある程度の消磁が終わっているから変化が少なかろうと思っていたのですが、結果は高域の軽さが若干緩和されたような気がします。隣の方は「3」の方が違いが明確だとの感想だったのですが・・・。「2と3で音が変化するということは、2でやっても帯磁はゼロになっていないということ?」という疑問が生じますが、その辺りのメカニズムははよく解らないそうです。
この他、低音ズンズンのフュージョンとオーケストラも同様に試聴しましたが、フュージョンの低音は見事に低減。確かに一音ずつ明瞭にはなっているが、如何せん軽くなり迫力がなくなる。「ズンドコが良かったのに」と言う方には残念な結果だろう。オーケストラは4回目の消磁作業となることもあってか、あまり変化は感じられませんでした。
ビンテージのシステムでそのサウンドがお好みの方は使用しない方が良いだろうとのことですが、確かに薄っぺらな音に変化したような“気”がしてしまうのが辛いところです。

ここで、会場で得られた情報をいくつか。
  1. 消磁用のCDとの違い
    CDは様々な周波数の音を低いものから高いものへと順にスイ―プさせている。一方DEGAUSSは、同時に複数の周波数の音を同時に流していることと、順に音を減衰させて、キチンと消磁しているのが大きな違い。
  2. 「帯磁」「消磁」のメカニズム
    電流が流れると次回が生じ、それが永久磁石のように、電源を切っても残ってしまう。帯磁すると、周波数によって時間のずれが生じ、音が濁り、定位がボヤけてしまう。そこで+側-側に同じ振れ幅になる音を流し、さらにそれを次第に出力を絞ることで次第に帯磁が消えていく。(※二号機の技術資料はコチラ
  3. 使用頻度と再生ボリュームについて
    システムによって異なり、敏感な方であれば、天候にも左右されるが、通常は一週間に一回と申し上げている。少なくともシステムのマイナスにはならない。
    また、消磁の際の音量は、通常音楽を聴いている際の大きさで良いとか。大きい方が良かろうと、何時もデカい音で鳴らしてましたが意味がなかったようです。
  4. モードによる違い
    4つの周波数を同時に出力しており(従来は3つ)、その組み合わせによって音が変わるため、そこで開発者の官能テストの結果で組み合わせる周波数をチョイスしたそうです(具体的な数値は秘密)。だいたい8割の人が「2」を選ぶそうで、イメージとしては「2」は広がりがより出るようになるので、オーディオシステムをキチンとセットしてある方に向いており、システムによっては広がり過ぎることがあり、その際は「3」を使用して欲しいそう。
  5. その他
    帯磁は特にカーオーディオで酷いため、車のRCAインに繋いだり、トランスミッターやBluetoothで繋いで消磁すると効果絶大とか(ただし、24Vには対応していません)。
    また、ギターも帯磁しやすく、消磁するとピッキングの音が明瞭になるため、あるミュージシャンは演奏する度に消磁するそうです。

audio unionの試聴会としては珍しくガラガラでしたが 、“消磁”というものがまだ一般的ではないのでしょうね。愛和の方のお話だと1、2時間程聴いたら「もう帯磁してきた」と分かる方がいらっしゃるそうで、そういう方々には必要なのでしょう。その効果の程はともかく、この価格では申し訳ないですがDEGAUSSに手が出なかったでしょうね。私はせっかく購入した物があるので、忘れた頃、奥さんが居ない時を見計らって「ブォーン」とやってます。ショップでの貸し出しも検討されているそうですが、ご興味がある方は二号機を手に入れてみるのも手かもしれません。