2016年6月18日土曜日

KRIPTON試聴会にてハイレゾ用USBケーブル発見!

audio union 御茶ノ水アクセサリー館 に無目的でふらりと立ち寄ったところ、顔馴染みの店員さんから「今日はリレー試聴会ですよ」とお誘いをうけ、クリプトンの会だったので参加してみました。(※ここはコーポレートサイトと販売サイトしかWebがないのですね。不思議な会社。アクセサリの販売サイトはコチラ

メインは振動を抑える新素材「ネオフェード・カーボンマトリックス3層材」。機能性ポリエステルをベースにした制振材をカーボン板でサンドしたもの。不要振動を素早く制すると共に発生電流も流してしまうそうな。
この素材を使った製品は、コンセントプレート、電源ボックス、オーディオボード、インシュレーターと多岐にわたる。

先ずは、ケーブルはクリプトン製だが、いかにも安っぽい2口電源ボックスのアルミのコンセントプレートを新素材のCP-HR10(※同社販売ページはコチラ)に交換。(曲はマーラー3番)
HRコンセントプレートCP-HR10(同社販売サイトより)
低音がクッキリ澄み渡ります。オーケストラの響きが増し、音場がグンと広がるイメージ。思わずちょっと身を乗り出しました。ワクワク!

次にケーブルを全てクリプトンのPC-HR1000M-Triple C(※同社販売ページはコチラ)に交換。(曲はトムジョーンズ)
これもボーカルが明瞭になるし、イントロ部のドラムもクッキリするしで言うことなし。
続いて電源ボックスをPB-HR500(69,800円(税別)※同社販売ページはコチラ)から、上板を新素材にした新製品PB-HR1000(150,000円(税別)※同社販売ページはコチラ) に交換。
これは思いの外変化はなかったのですが、まぁ順当な変化といったところでしょうか。クリプトンの電源ボックスはもれなくフィルターが入るので、敬遠気味というのが正直な思いです。試聴会では折角フィルターのコトを説明されていたのですが居眠りして聞いてませんでした。すみません・・・。

続いてはCDPの下に新素材を敷き詰めたオーディオボードAB-HR5(70,000円(税別)※同社販売ページはコチラ)を敷きます。(曲はホテルカリフォルニア)
ぼやけた音像がクッキリ。見事に余韻が蘇ります。寝ぼけていた頭もスッキリ!目が覚めました。
さらにインシュレーターをIS-HR50(38,000円(税別)※同社販売ページはコチラ)に。これは背が高いモノで、プレイヤー本体のインシュレーターを介さないセッティングが可能です。今度は高域の綺麗さが際立ちます。価格を考えるとオーディオボードの前にこちらを試すべきかもしれません。クリプトンの方がボードやインシュレーターで「10万円のCDPが30万クラスになる!」と豪語されてました。

続いてUSBケーブルです。
クリプトンが特許取得しているデュアル構造。電源系とデータ系を完全分離して影響をなくしたモノで、0.5mで38,000円(税別)(※同社販売ページはコチラ)もする。現物を見ると、しっかりしたケーブルで2つの線の間にはセパレーターをかまし、手作り感満載。
クリプトンのデュアル構造(同社販売サイトより)
これをもっとお求めやすい価格でと作られたのが「パフォーマンスシリーズ」と銘うった新製品(※同社販売ページには未掲載)。線は細く、お世辞にも「オーディオ用ケーブル」らしくないのだが、銀メッキ銅線を使い、シールドもカンペキだとか。二本の線の間隔もリファレンスシリーズに合わせており「(4万円超えの)リファレンスシリーズと変わらないクオリティ」と言い切っていらっしゃいました。ビックリ !!
「一番売れている単線のUSBケーブル(メーカー名は分かりませんでした)」と比較します。実はこのケーブルが8,000円のために、無理して価格を合わせたそうです。(曲は彼の月の光)
いやはや、余韻が全く違います 。以前、麻倉先生の試聴会でお聞きしたように「響き命」の曲だけに、この変化は重要なポイント。実は試聴会後に一本予約してしまいました。早ければ来週月曜に入荷だそうです。
因みに人気のポタアン用の15cmバージョンもラインナップしてます。

USBケーブル購入は予定外の出費でしたが、やはり試聴会は楽しい!

2016年6月12日日曜日

オーディオイベント二題。

今週末はオーディオで忙しい。今日はStereo Soundのイベントとアナログオーディオフェアのハシゴです。
Stereo SoundはDigiFiの附録のヘッドホンアンプのイベントなのでヘッドホンを使ってない私には今一つだし、アナログオーディオフェアは先日の久々のアナログどっぷり(※コチラ)で疲れ果てたのがトラウマで、両方若干引き気味だったのですが、昨日の麻倉先生の試聴会で「明日はアナログオーディオフェアで試聴会やるよ」と言われたこともあって、何となくお出掛け。

先ずはDigiFiイベント「ハイレゾパーク」へ(※DigiFiのニュースはコチラ
ハイレゾパークは目立たないギャラリーにて。
一度行き過ぎてしまった程、わかり難い地下ギャラリーで開催されていました。
今回は特にDigiFi附録のヘッドホンアンプにフォーカスを当てたイベントですが、日程的に敢えてアナログオーディオフェアにぶつけたのかと思いきや、偶々だそう。「開催場所も近いし両方ハシゴしてくれないかなと思ったけど客層が違うみたい」と仰ってました。
展示は何時ものOlasonicさんやシャーシの奥沢さんN2 Factoryさんなど。何気にOlasonicがNANOCOMPOのアウトレットで安く売ってたり。このスペシャルプライスもイベントならではの醍醐味です。
各種ヘッドホンやケーブル取り揃え
ヘッドホンは使っていない私ですが、「4、5万クラスのヘッドホンを聴くと凄いよ。同じ価格のスピーカーじゃ絶対に出ない音だよ。」とStero Soundの方。オペアンプの変更もできるし、ちょっと考えてみようかしらと物欲が頭をもたげてきました。危険です。

そしてアナログオーディオフェア(※公式ページはコチラ)。思いの外、凄い熱気です。驚きますね。因みに前日はもっと凄かったとか。
建物入口の案内が超地味なアナログオーディオフェア
当たり前ですが、アナログばっかり。来場者の年齢層高め。人にぶつかっても知らんぷり率高し・・・。(自分以外に無関心な人が多いです、本当に。ヘッドホン祭りの若者の方がよっぽど人が良い。(-.-#) おっさんの方が自己中?我が身を反省。)
各出版社も一堂に会してます
何処の試聴会も満杯でしたが、カジハラ・ラボ、サエクコマース、ポーカロ・ラインの3社連合「フォース」が主催する、潮先生の講演会に顔を出しました。以前、麻倉先生の試聴会でも紹介されていたVOXOA(※コチラ)で鳴らしますが、潮先生、「6万円でこの音は素晴らしい。カートリッジを変えれば凄く化ける!」と絶賛。リード線をSAECのPC-Triple Cに変えると、それだけでも違いがクッキリ。潮先生は「2,000円台のカートリッジに1万円のリード線付けるのははおかしいよ」と仰ってましたが其れ位変化の幅が大きいということ。それからSAECの電源ケーブル3種(PCOCC-A:57,000円、PC-Triple C:60,000円、PC-Triple Cの太い奴:95,000円)の比較試聴はやっぱり溜め息ものでしたね。パワーアンプの電源ケーブルを替えただけですが、違いが出ますよね。ただ、潮先生も「アクセサリーは機材の20%以内にすべし」と仰っていましたので、私の環境では最上位機種には手を出しちゃいけないのだと自らを諫めています。この他、潮先生の試聴会は雑学が織り交ぜられ楽しいですね。今日も「そうだったのか」という納得のお話が幾つかありました。

そして、麻倉先生はStereo Soundの45回転LPの試聴会。開始直前にズラリと階段まで入場待ちの列があったので一旦は怖じ気づきましたが、途中から忍び込めました。いやぁ、平凡な感想ですが、良い音ですね。石川さゆりさん特有の情念がいや増しされる感じ。良いですが、デジタルのぬるい音に慣れてしまった耳には、やっぱり疲れました・・・。

それから、初めてアンダンテラルゴ社のブースがあったのが嬉しかった。一社で一部屋確保する力の入れよう。大好きなChordカンパニーのケーブルを沢山見られて大満足でした。頑張っていただきたい!

そんな中、会場で今やハイレゾ・アニソンの第一人者の野村ケンジさんにお会いしたので、MQAの動向をお聞きしました。国内企業の動きがまだ見えないので何とも言えない状況だとか。「ヘッドホン業界の活況を支える若者たちが、ピュアオーディオの世界に入ってくるよう努力している」とのことでした。コチラも頑張っていただきたい!


「MQA」の素晴らしさは噂通りだった!

注目の音声圧縮フォーマット「MQA(Master Quality Authenticated)」の試聴会に出掛けてみた。またも麻倉先生の新宿ビックロでの月例試聴会で、今月のお題が「MQA」だったもので。
ビックロ 麻倉怜士先生 定期講演会

先ずは「MQAとは」。
曰わく、PCMではレートによって差はあるものの、音の立ち上がりから下がるまでがダラダラ。一方、MQAはキュッと立ち上がりパッと終わる。その結果、時間軸の解像度が高まり余韻が非常に美しい。そしてもうひとつの特長が「Origami」と称した圧縮技術。CD並みの転送レートでも高音質な再生ができるという。詳しくは価格コムに鴻池先生がレポートされているので参照ください(※価格コム紹介ページはコチラ:上記「MQAはキュッと立ち上がりパッと終わる」の図解もあります)。
※その他参考ページ:
 ■Philewebの開発者インタビューはコチラ
 ■推進役のMeridianのサイトはコチラ

試聴会はピアノ、弦、オーケストラ、ジャズなどの楽曲を、PCMとMQAの二つのフォーマットで次々に再生して行きます。
シンプルに申せば全く違います。PCMが曲によってはキンキン突き刺さって来るのに対して、耳あたりが優しく、成る程残響が美しい。一音ずつがふっくらしていて明瞭でありながら表現力があるというニュアンスです。

麻倉先生は以下のように表現されていました。
  • 192kHz/24bitリニアPCMは、情報量が多く、綺麗ではあるが単色系。加えて音の出方は真っ直ぐストレート。
  • 一方のMQAは、何より和音が綺麗。ドビュッシーの「月の光」のように音が何重にもなっている楽曲はそれが非常に出ている。低音、中音、高音それぞれにそれぞれの色がついているイメージ。
  • MQAは音の出方がグニュグニュ。
    ※注:「グニュグニュ」というのは解りにくい表現ですが、実際に聴くと良く解ります。グニュグニュなのです。反響がナチュラルで様々な音が重層になっている感じ、でしょうか。
  • MQAで聴くピアノ曲は、鍵盤のタッチ感が蘇る。響きのサブセットが見える感じ。倍音が美しく響き、合奏感と言うか、音の波の輻輳が聞こえる。
イタリアのピアノ「ファツィオーリ」を用いて、聖クローチェ美術館という石造りのホールで録音した「月の光」が一押しと言う、同席されていた音楽配信サイト「HQM(クリプトン)」の代表が仰っていました。「録音の現場にいたが、感動で涙が出そうだった。PCMの音を聴いた時は今ひとつだったが、MQAの音を聴いた時、現場の感動が蘇った。」
この言葉が理解できる程の違いが確かにありました。

実は試聴会の後で、クラシックの発表会に出向いたのですが、生のピアノの響きを聴きながら、「あ、音がグニュグニュしてる」と強く感じ、「倍音の美しさ」というニュアンスを思い出し、MQAの優秀さを改めて感じました。

でも、まだ対応しているDACは数が少なく、環境が整っているとは言えませんね。最も安いのが、4万円程度のMeridianのExplorer2(※公式サイトはコチラ)。選択肢が少なすぎますが、ONKYOも注力して行くそうですから期待しましょう。今日は聞けなかったけど、エンコーダーのアプリがが出てきてMQAフォーマットでCDのリッピングしても意味はないのだろうなぁ・・・。ま、いずれにしても楽しみです。