2020年4月6日月曜日

“Pay”の乱立、サービスの輻輳、そしてアプリの独善。

自由競争の賜物で、“Pay”各者間の争いは激化し、割引合戦が続き、少なからず消費行動に結びついているのは良いのだが、その結果として、一社内での言葉遊びのような類似サービスの林立、複雑怪奇な運営システムにも悩む結果となる。

最近ようやく、例えば楽天のように、PayとEdyを同一アプリで運営できるようになってきた。まあ、あくまでも仕組みとしては全く別物であり、単に異なるサービスが同じアプリで使えますよという表層的なものではあるものの、良い兆しとして前向きに捉えたい。

諸店舗のポイントカードが多岐にわたるため、遅まきながらポイントアプリで使い分けようと思うに至ったのだが、そうした理由はもう一つある。ポイントカードとクレジットカードが一緒になっていること。これは安全面で大いに問題あり。会計時はドタバタしてカードを落とす心配が多々あるのに、クレジット機能があってはダメだろうと切に思う次第。Yahoo!カードとTポイントカードの合体版しかり、セブン銀行とnanacoの合体版しかり。で、今回はそのnanacoについての話題。

「Pay」で大きく躓いたセブンイレブンですが、巨大グループだけに、そのサービスの種類が多く、複雑怪奇で非常に分かりにくい。
以前、店頭で手数料いらずでお金の出し入れができる利便性を鑑み、セブン銀行の契約を行ったところ、nanaco番号が付与されていたためアカウントを登録していた。ところがこのカードはセブン銀行で決済しない限り、店頭でのnanacoポイント付与には使用できないというモノで、殆ど使用することがなかった。こういったモヤモヤも、アプリを使うことでクリアできるかなと期待した。

先ずインストールしたのはセブンイレブンアプリ。既述のセブン銀行カード取得時に同グループのネットショッピング「オムニ7」を利用したため、“7id”というグループ共通IDを所有しており、これをアプリにインプット。「おお、これがTV-CMでやってるアプリか」と立ち上げてみて驚いた。「マネー残高4,784円」との表記がある。場当たり的にPayサービスに登録すると残高があちこちに散乱する良い例(悪い例)ですね。

では、この残高を使って支払えば良いのだな、と思ったが、どうやら別途「nanacoアプリ」をインストールせねばならぬらしいことが解った。「ほらほら来たよ来たよ」とうんざりしつつ、nanacoアプリをダウンロードして既述のnanaco番号を入れようとするのだが、どうやっても新規番号になってしまう。番号を変更しようとしてFAQを漁るが埒があかない。やむを得ずサポートセンターにお電話。サポート受付が24時間で、しかも直ぐ繋がったのには感心した。「すみません。既に取得しているnanaco番号をnanacoアプリに登録したいんですけど。」と、サポートの女性は「できません」と即答。「では、どうしろと・・・」と私。「現在お持ちの番号の残金やポイントを使い切って、nanacoアプリで登録する新しい番号で今後はご使用ください」と。「は?」と呆気にとられ「じゃあイイです」と力無く電話を切る私。

まあ、一事が万事ですね。同じグループで似て非なるサービス、異なるアプリがあったり、別のサイトが立ち上がったり。兎にも角にもこの状況が早く整理されて、解りやすくならんことを切に願う私です。

“Pay”の乱立、サービスの輻輳。

〇〇Payの乱立は今に始まったことではないが、“Pay”だけではなく、アプリや各種サービスの混沌ぶりにも悩まされる日々であります。

既稿のように、LinePayを憎悪するに至った訳ではあるが、その後も悩みは尽きない。

auPay。「大手が満を持して」と思いきや、ご存じのように開始早々第一週に問題が生じ、ポイント上限を引き下げるという暴挙に出た。私は高額な買い物予定は無かったから良いものの、呆然とした御仁は多かろうとお察しする。「auPay使えます」という店頭表示も乏しく、キャンペーンで得られたポイントを使い切ったら終了だろうなと思われる。(auユーザーではないし)
唯一良かった点は、「今の買い物でこれだけのボーナスポイントが付与される予定ですよ」と表示が出ること。これは他のPayやサービスでは見られない、素晴らしいところ。安心に繋がります。これについては他者も見習って欲しい。既稿のように、Linepayで非常に不快な思いをした私としては身に滲みる美点だ。ポイント付与に超絶時間を要するYahooのサービス系もですね。

次にメルペイ。運営が難しい中、Docomoと組むなど、努力は見られるし、必要な金額だけチャージできるなど使い勝手はまあ良いのだが、マイナー感は否めない。3月のキャンペーン金額も限定的で、すぐに枠を使い切ってしまったし、メルカリの出展も今ひとつ中身が伴わないし、尻つぼみの印象は拭えない。

となると、最終的には、やはりPayPayかなぁと。一番の理由は飲食店をはじめとして使用できる店舗が多いこと。最終的にはこれに尽きるところでしょう。営業担当者のご努力に感謝いたすところです。SoftBankユーザーであることも原因ではあるものの、Yahoo ShoppingもYahooオクもとなると、その一貫性はありがたいところです。様々なサービスが集約してくれるとありがたいけれど・・・、難しいでしょうねぇ。

最後にアプリに関してですが、各者が「スーパーアプリ」を目指しているのでしょうが、かえって混乱をきたしているような。これについては熟考を要しますな。次元は低いですがauPayの「広告見た後にクイズに回答」についてですが、広告の程度が低すぎて引きます。開始早々なのでナショナルスポンサーは難しいのでしょうが、内容も広告としてのクオリティも低すぎて、顧客を遠ざける一因となるのではと老婆心ながら危惧するところです。

アプリの統一と言えば、「楽天」では楽天ポイントと楽天エディのサービス統一を進める気配が見られますが、各者サービスの複雑さについては次回に。