2016年11月26日土曜日

試聴会体験記。iFi Audio のPCオーディオ・アクセサリー!

オリオスペックで試聴会が開催されたので参加してきました。(オリオスペックのサイトはコチラ
「M2tech Evo PhonoDAC Two & iFi Audio新製品各種アクセサリー試聴会」(※同店ブログはコチラ
オリオスペックイベント会場
第一部はオーディオ評論家の岩井さんによる、M2TECHの新製品「Evo Phono DAC Two」(※商品紹介サイトはコチラ)の徹底検証。
同機は「欲しかった機能がすべて備わっている」として、岩井さんの最近のお気に入りのようです。 フォノイコライザー機能を使い、アナログ(レコード)を聴いたり、 384kHzでリッピングしたり。同機の入力インピーダンス・マッチング・コントロール機能がリッピングの際に有効だそうで、しかもリニアに変化させることができるため、気に入った音色でのリッピングが可能とのことでした。
試聴会では同タイトルの別バージョン(アメリカ版だったり45回転だったり)の聴き比べや、同タイトルのCDとの聴き比べ、リッピングソフトやMAC、WINDOWSの違いなど、同じ曲での聴き比べに終始して中々の聴きごたえでした。
終了後にそっとKORGのDSDでのリッピングとの違いをお伺いしたところ、「KORGはMCカートリッジには対応していないし、DSDの音の厚みは素晴らしいし、384kHzのキレも素晴らしい。やはり適材適所。」とのお応えでした。

そして第二部はいよいよ「iFi Audio」の出番(※同社サイトはコチラ)。
「新製品発表会」と銘打って、様々な新製品について紹介がありました。
列挙すると、
  1. iDSD Black Label:シルバーで統一された現行の同社製品とは異なり、その名の通り真っ黒。今後は、バッテリー内蔵製品は黒。バッテリー無しの製品はチタン色にして行くそう。「変わるかもしれませんが」とは代理店の方の弁。詳しくは同社ブログ(※コチラ)で。発売は年内に何とか、といった感じ。
  2. iEMatch:3.5mm4極を3極に変換するものだそうで、まだ詳細は不明。試作品もなし。
  3. nano LE:nano iDSDがシリーズ化されるそう。同じデザイン、サイズで簡易版としてでてくるのが「LE」で、機能を削除して半額近くの低価格で出てくるよう。また、Wifi 搭載機や薄型なども予定されているそうです。
  4. micro iTube2:これも試作機がありましたが、すみません。詳しくは忘れてしまいましたが、上記のように、現行のシルバー色ではなく、チタン色でした。
  5. フラッグシップDAC:これは写真だけだったのですが、「フラッグシップとは言え、3ケタにはならないと思う」とのこと。正面に周波数が表示されるのですが、「言えないけどこれが驚くべき数字になる」そうで、さて、どのような機能を搭載するのやら。
  6. ヘッドフォン&イヤホン用リケーブル:プレゼン資料には記載がありましたが、殆ど説明なし。
といった感じ。一部Philewebで紹介されていました。(※コチラコチラ

さてさて、そして私が待ちに待ったのが、
左:iSilencer、右:iDefender
「iSilencer」と「iDefender」なのです。
写真だとUSB変換ジャックのようですが、実物も割とちゃっちい感じ。
「iSilencer」のパッケージに記載の機能は、
  1. Active Noise Cancellation® technology
  2. Reduce jitter + packet errors
  3. REbalanse® the USB signal
  4. USB3.0 technology for optional transfer
一方の「iDefender」のパッケージには、
  1. Breaks noisy ground-loops Significantly reduces system noise floor and makes for better dynamic contrast, warmth and resolution
  2. Disconnects the USB Power from the PC and replaces it with a clean external power(optional iPower® 5V for ultra low-noise)
  3. USB3.0 port technology - most advanced and highest USB specification
とのことでした。
iDefender3.0 パッケージ裏面
おススメの使い方は、両機種を繋ぐこと、「iDefender」に「iPower」を使うこと、そして
「iSilencer」を総ての空きUSBポートに差すこと、だそう。
両方、税込みで7,000円程度で、オリオスペックの方が「発売はそれほど遠くない」と言ってました。
肝腎の試聴ですが、あるにはあったのですが、何だかバタバタしていて落ち着いて聴かれませんでした。パッと聴いた感じでは確かにクッキリして聴きやすくなっていた感じ。

「iFi Audio」の考え方は、一台一台は比較的手ごろな価格で、グレードアップしたければ買い足して合体させるということで、確かにMicroシリーズにはスタック用のラックもありますね。「iSilencer」と「iDefender」も繋げて使ってというものの、接点は何だか不安です。

話は変わりますが、イベント前に「サウンズ・ナカムラ」の前を通ったのですが、シャッターは閉まり、看板も無く・・・。心配になって、中村さんケーブルを良く使っているオリオスペックの方に聞いてみましたが、お元気のようでホッとしました。今回の試聴会でもUSBケーブルもLineケーブルも中村さんケーブルでした。何はともあれ楽しいひと時だったなぁ!

2016年10月16日日曜日

期待の新製品2つ。

秋は オーディオイベントシーズン。
東京インターナショナルオーディオショー
9月30日から10月2日まで開催の「東京インターナショナルオーディオショー」(※公式サイトはコチラ)に続き、この週末は「東京オーディオベース」(※公式サイトはコチラ)に出向いてきました。
昨年の会場とはすぐ近く、お茶の水と秋葉原の中間地点にある昌平橋そばのホテルのワンフロアを使っての開催でした。
トークショーに出演予定だった漫画家の浦沢直樹さんが直前の不倫報道で急遽出演取りやめになったり大変そうでしたが、こじんまりしながら各ブースではキチンと音も聴けたし「インターナショナルオーディオショー」よりずっと良かったですね。

中でも感心したのが、TAOCブースで試聴を行っていた新しいスピーカー。(※同社サイトはコチラ

AFC-L1(同社サイト公開のPDFより)
同社のサイトにもPDFしか掲載されていなかった(2016.10.15原材料)が、中々艶っぽい音を出す(※Philewebの紹介ページはコチラ)。最近、TADなどの試聴会に物見遊山で出掛けてみたものの、その音に首を傾げて帰って来ていただけに、予想外に驚いた。ユニットはスキャンスピーク製の3way。「ユニットメーカーではないのでベストなユニットを選べた」とのことで、それぞれ同社お得意の鋳鉄リングをかませて振動が他に影響を与えるのを抑えたそう。
クラシックからジャズ、女性ボーカルと様々なジャンルを鳴らしたが、低音の豊かさだけでなく、声の艶が良く、ゾクッとするサウンドでした。一本100万超えですからお呼びでない観はありますが、他のブースで聴いたどのスピーカーをも凌駕していました。アンプはアキュフェイズ。それも影響していることでしょう。ちなみに、テレオンで試聴できるそうです。

さて、次なる収穫が光城精工ブース(※同社サイトのアクセサリーページはコチラ)。
新製品の電源ケーブルはSAECから提供を受けている(プラグの取り付け法やメッシュチューブの違いによりサウンドは異なるそうです)など、色々語られていましたが、最も注目したのが、仮想アースを出すとの情報。まだ試作で、同社の現行タップに組み込んだ状態の物(下記のようなイメージでした)が展示されており、偶々、オーディオユニオンのアクセサリー館の方が色々質問していました。
展示されてた仮想アース試作機はこんなイメージ(光城精工タップの画像に合成して作成)
試聴は意外にも左右のスピーカーのマイナス端子にアースを取り付けます。残念ながら途中入室だったので比較試聴はできなかったのですが、デモ終了後、お聞きしたところ、

  • 色々試したが、アンプ等に繋ぐよりスピーカーに繋ぐ方が効果があった。もちろんアンプに繋いでも効果がある。
  • 年内に3万円を切る価格で出したい。
  • スピーカーであれば一台の仮想アースから二本ケーブルを引き回して左右のスピーカーに繋ぐことも可能。

とのことだった。
これは期待できる代物です!

※2016年12月5日追記:
光城精工の仮想アースが発表になりましたね。今日、気づきました。
デザインが上記と全然違う・・・・。イベントの時は↑こういうデザインだったんですってば、本当に。
光城精工 新製品の仮想アース “ Force barEP ”(同社カタログより)
※同製品公式サイトはコチラ
イベント時の宣言通り、年内発売3万円以下を実現しましたね。
うーん、欲しいかも・・・・。

2016年10月2日日曜日

艱難辛苦の末に、C.E.C.ベルトドライブプレイヤー+DACを満喫。

CDは購入して即リッピングというやり方だったが、物欲ムックリ。
それはC.E.C.のCDプレイヤーTL53Zの佇まいに惹かれたから。(※商品ページはコチラ
C.E.C. TL53Z(同社サイトより)
幅20cm近くしかなく、ドライブへのアクセスは蓋を手動でスライドオープン!スタビライザーを載っけてベルトドライブ。うーん、手がかかるし一々面倒。でも惹かれる、止められない。
で、結局同社製DAC DA53も入手するに至った(※商品ページはコチラ)。理由はAES/EBUの効果を味わいたかったから。物欲イッキ!
AES/EBUも装備したDA53の後ろ姿(同社サイトより)

両方共にオークションでは比較的価格が抑えられている。
TL53Zが237,600円のところ57,240円、DA53は85,300円のところ20,000円。頻繁には登場しないがコンスタントに登場するのでこまめにチェックを。

そうして手に入れたセットを組んで、さあ音出し。ところがデジタル(RCA)は音が出るのにXLRは無反応。新たに入手したWire WorldのXLRデジタルケーブルが悪いの?焦って変換ジャックやらアナログXLRケーブルやらを駆使して試すも結果は同じ。どう考えてもCDプレイヤーのXLR端子から信号が出ていない。幸い、落札したのがビックカメラからだったので連絡したところ、確認するから返送しろと。(箱は廃棄してしまったので結局池袋までハンドキャリーしたのだが)
私なりに“不具合間違いなし”と自信をもって返却したのですが、数日後の回答は意外にも「メーカーのテストでは問題がない」と。そんなはずが…と冷や汗。送り返していただき、再度セルフチェック。いやいや、どう考えても出力してないでしょう。もしやと思い、新しいAES/EBUケーブルも買ってみたけど結果は同じ。私の実験法に問題があるのかしらと、再度サービスに実験法について問い合わせしました。すると「DACもケーブルも合わせて送って欲しい」の一点ばり。わたしとしては、またも「問題なし」という結果では申し訳ない、という思いなのだが、致し方なく纏めて送付して回答を待った。

その結果、やはり機器側のトラブルだったそう。
「AES/EBU端子の2番ピンの直角に曲がっている個所が破断していた」とのこと。何故、症状の再現・非再現があったのかについては、DACの機種によって「2番ピンが破断していてもコンバーターの信号検出方式の違いにより再生できる」のだそう。DA53は“再生できない”方だったのだとか。
結局、端子を交換していただき、無事バランスケーブル2種でも正常に再生したとのこと。一本買い足して損したけど、まあ当方に間違いがあったのではなくホッとしたし、修理していただき有難かったということで、まずはめでたし。C.E.C.のサポートの方、ありがとうございました。偶々出品者がビックカメラであったが故に、サポートも動いてくれたのでしょう。オークションの危うさを感じた一幕でした。

見た目やスライドドアの感触は満足。驚いたのはリモコン。何しろデカくて重い。凶器になるほどの重量感。電池交換蓋もねじ止めという凝りようには驚かされた。
さて、改めて音出し。
「骨太であり、且つ、歯切れが良い」というのが第一印象。

さて、第二のポイント、RCAデジタルとの違いや如何に。
INFRANOISEのクロックレシーバーCCV-5経由の音なのだが、比較すると、微差ながらAES/EBUの方が骨太感が増す。うん、良いかもしれません。

話は変わって、偶々、逸品館のサイトで中古の「サウンドリマスターRMS-1000」なるものを見つけてしまった(※同店の評価ページはコチラ)。INFRANOISE製で、95,000円のところ32,000円。曰く「音が生まれ変わる」。良いじゃないですか。
インフラノイズ社 RMS-1000(同社サイトより)
“Session”と“Ensemble”という切り替えがついていて、曲によって切り替えができる。前者は“歯切れ重視”、後者は“響き重視”と言ったイメージの違いが明確に出ます。とは言え、格別音が良くなるとは言い難いところで、ま、そんなものかな・・・。
ついでに、CHORD Cadenza.REFERENCE 1.0m、45,360円のところ12,399円もオークションでゲット。何がついでだかも解らなくなってきました。

奇しくも、東京インターナショナルオーディオショウで素晴らしいシステムの音を聴いた後に我がシステムを聴いてみれば空しくなるばかり・・・。オーディオへの散財にもそろそろ打ち止め感も出てきたような。

2016年8月28日日曜日

試聴会 二題

この週末も二つの試聴会を体験した。

一つ目はスピーカー。
伝統の三菱DIATONE。
StereoSoundの小原先生の記事(※記事はこちら)で絶賛しており、ちょうど同社が九段下に造った視聴室(※同社サイトはこちら)での集いがあったので出向いてみた次第。
試聴会場の様子
同社のスピーカーはカーオーディオ用として細々とビジネスを継続しているが、言うに及ばず歴史は古く、今年で70周年。もはや伝説と言っても良い状況。今回のスピーカーは製品化前の開発段階での試聴会であり、それにも興味を引かれた。
司会の方が最も力説していたのが「スピーカーの歴史は振動板の素材の歴史」と言うこと。振動板のベストはダイヤモンドで、音速10,000m/秒に達するのに対して、今回開発した素材はNano Carbonized high Velocityで6000m/秒だという。(良く解らないのだが)
試聴素材はボーカルものやJazzのトリオやオーケストラでリッピングデータやCD、アナログと様々。さてさて、先陣を切ったのは女性ボーカル・・・うーん、綺麗だけど薄べったい感じ。色気も感じられない。続いてトリオ・・・スネアやシンバルの響きがやけに良いしピアノも弾ける。次に男性ボーカル・・・うーん、これも面白みに欠けるなぁ。そしてオーケストラは管楽器の響きはキリッとしている、し過ぎている。ちょっと疲れるかも。(あくまで個人の感想です・・・)
カーオーディオとの関連で16cmのウーファーなのだが、エンクロージャーは意外に大きい。アンケートで「販売したら購入したいか?」という項目があったが、「いいえ」と答えた私。ごめんなさい。(あくまでも、あくまでも個人の感想です・・・)

次の日はAudio Unionアクセサリー館での試聴会。AiTECのスタビライザーΛ8.24のデモだ(※同社サイトはこちら)。AiTECといえば私も同社の電源フレッシャーΛ5.35の愛用者のはしくれ(※過去記事はこちら)。しかも村山さん(株式会社ポーカロ・ライン代表取締役 村山貞雄さん(※同社サイトはこちら))も関係しているとあっては行かない訳にはいかない。
機器の下に見える青いモノが今日の主役
AiTECの社長もお見えになっており、色々と説明をお聞きできました。現物は結構軽くてちゃっちぃ代物。一般的なインシュレーター機能も無くはないが、8割方は「絶縁」に主眼を置いた製品だとか。機器のボディを電気的に縁を切ることで音場が広がると言う。また、同社のΛ3.16で培ったノウハウで電磁波を整える機能もあるとか。製品のパッケージを製作した会社の人が、現物を持ち帰った際、車のラジオのノイズが無くなって驚かれたと仰ってましたが・・・。
CDPとアンプとタップの下に製品を設置してあり、有り無しでは確かに違いがあります。若干大人しくなる傾向がありますが、兎に角、耳あたりが優しくなります。「音場が全く違う」と社長は力説してましたが、個人的には耳あたりの方が違いを明確に感じられた。特に効くのは電源タップのようです。「for Digital」と称してますが、アナログプレイヤーにも効果はありました。パソコンやNAS、ハブにも効果は抜群で、「リッピングの音がよくなる」とか。
実演後に「コレがあれば仮想アースが要らなくなる?」と聞いてみたところ「私が言ったとなると問題になる」との回答で、まぁ、言っちゃってるも同然ですが。製品が3個入りなのも2万円以内にしたかったからのようです。見た目は今ひとつですが、削り出しで、コストがかかっているそう。意欲作ですね。

ついでに電源フレッシャーとΛ3.16のデモもやっていただきました。「三製品の効果の方向性は総て同一」と社長の言。電位を揃え、キチンと電気がお仕事出来るようにするのがAiTECH製品なのだそう。例えば電源フレッシャーは、電圧と電位のタイミングを整えることで力率を上げ、両者のズレにより必要となる無駄なパワーアップを抑え、無駄なパワーアップの結果発生する電磁波を抑えるのが仕組みだとか。使っていながら何も知らなかったです。設置するのは堅い場所に直置きが良いそうで、帰宅したらインシュレーターを外さねば!

次に不可思議なΛ3.16(※公式サイトはこちら)の登場です。お店に開梱したものがないと知るや「パッケージに入ったままでも効果がある」と宣う。無造作にパッケージのまま、ビニール包装のままでラックの前の床に無造作に置きます。通常15秒程度で良いところを30秒待って試聴。微妙ですが、確かに音圧が上がったような・・・。社長曰わく「パッケージのままだから効果は1/3以下ですね」と。うーん、解りません。「オカルトグッズと言われる」と社長は言ってましたが、正にそういった心境でした。Λ3.16が10万円以上ですから、そのノウハウも入れ込んだΛ8.24はお得と言うこと・・・?不思議だけど面白そうな商品です。

2016年7月9日土曜日

クリプトンの新USBケーブル。

前回の記事でご報告のクリプトンの試聴イベントで拝聴した新製品USBケーブルをオーディオユニオンで予約していたことを思い出した。(※前回記事はコチラ
と言うことで、新製品のUSBケーブル UC-HRP1.0をゲット。税別8,000円のところ、イベント参加割引で税込6,000円也(※同社販売サイトはコチラ)。
クリプトンUSBケーブルUC-HRP1.0
最大の特長が、データ系と電源系のケーブルがシールドされて完全分離していること。ところがです。持ち帰ってから気付いたのが、私のシステムではパソコンにオプション・USBボードとBusPower-Proのダブルで電源系を分離していたっけ・・・。このケーブル最大の売りが意味ないじゃん・・・。

取り敢えず開封です。箱はご立派。しかし前回も記しましたがケーブルそのものは貧弱。写真を撮ってみました。1円玉ではサイズ感が掴みにくかったですね、スミマセン。
UC-HRP1.0のサイズ感
ケーブルの真ん中に線が走っているのが見えますでしょうか?これが、クリプトンが誇る「デュアル構造」ですね。

と言うことで、電源を切り離した効果は語れませんが、音質確認をしてみました。
比較する現行システムは、かの有名なHiVi附録超ショートUSB・Zonotoneで繋いである箇所(PC→DDCの部分)を取り換えてみる。
(と、ここで、パソコンが起動しなくなり、一週間の間が開いてしまいました・・・。)
さて、比較です。

クリプトンは素直な感じですが、力強さがZonotoneが勝り、私の環境での勝者はZonotoneに。
電源もPCから取る環境でしたら違う結果が出ていたかもしれません。申し訳ありません。

2016年6月18日土曜日

KRIPTON試聴会にてハイレゾ用USBケーブル発見!

audio union 御茶ノ水アクセサリー館 に無目的でふらりと立ち寄ったところ、顔馴染みの店員さんから「今日はリレー試聴会ですよ」とお誘いをうけ、クリプトンの会だったので参加してみました。(※ここはコーポレートサイトと販売サイトしかWebがないのですね。不思議な会社。アクセサリの販売サイトはコチラ

メインは振動を抑える新素材「ネオフェード・カーボンマトリックス3層材」。機能性ポリエステルをベースにした制振材をカーボン板でサンドしたもの。不要振動を素早く制すると共に発生電流も流してしまうそうな。
この素材を使った製品は、コンセントプレート、電源ボックス、オーディオボード、インシュレーターと多岐にわたる。

先ずは、ケーブルはクリプトン製だが、いかにも安っぽい2口電源ボックスのアルミのコンセントプレートを新素材のCP-HR10(※同社販売ページはコチラ)に交換。(曲はマーラー3番)
HRコンセントプレートCP-HR10(同社販売サイトより)
低音がクッキリ澄み渡ります。オーケストラの響きが増し、音場がグンと広がるイメージ。思わずちょっと身を乗り出しました。ワクワク!

次にケーブルを全てクリプトンのPC-HR1000M-Triple C(※同社販売ページはコチラ)に交換。(曲はトムジョーンズ)
これもボーカルが明瞭になるし、イントロ部のドラムもクッキリするしで言うことなし。
続いて電源ボックスをPB-HR500(69,800円(税別)※同社販売ページはコチラ)から、上板を新素材にした新製品PB-HR1000(150,000円(税別)※同社販売ページはコチラ) に交換。
これは思いの外変化はなかったのですが、まぁ順当な変化といったところでしょうか。クリプトンの電源ボックスはもれなくフィルターが入るので、敬遠気味というのが正直な思いです。試聴会では折角フィルターのコトを説明されていたのですが居眠りして聞いてませんでした。すみません・・・。

続いてはCDPの下に新素材を敷き詰めたオーディオボードAB-HR5(70,000円(税別)※同社販売ページはコチラ)を敷きます。(曲はホテルカリフォルニア)
ぼやけた音像がクッキリ。見事に余韻が蘇ります。寝ぼけていた頭もスッキリ!目が覚めました。
さらにインシュレーターをIS-HR50(38,000円(税別)※同社販売ページはコチラ)に。これは背が高いモノで、プレイヤー本体のインシュレーターを介さないセッティングが可能です。今度は高域の綺麗さが際立ちます。価格を考えるとオーディオボードの前にこちらを試すべきかもしれません。クリプトンの方がボードやインシュレーターで「10万円のCDPが30万クラスになる!」と豪語されてました。

続いてUSBケーブルです。
クリプトンが特許取得しているデュアル構造。電源系とデータ系を完全分離して影響をなくしたモノで、0.5mで38,000円(税別)(※同社販売ページはコチラ)もする。現物を見ると、しっかりしたケーブルで2つの線の間にはセパレーターをかまし、手作り感満載。
クリプトンのデュアル構造(同社販売サイトより)
これをもっとお求めやすい価格でと作られたのが「パフォーマンスシリーズ」と銘うった新製品(※同社販売ページには未掲載)。線は細く、お世辞にも「オーディオ用ケーブル」らしくないのだが、銀メッキ銅線を使い、シールドもカンペキだとか。二本の線の間隔もリファレンスシリーズに合わせており「(4万円超えの)リファレンスシリーズと変わらないクオリティ」と言い切っていらっしゃいました。ビックリ !!
「一番売れている単線のUSBケーブル(メーカー名は分かりませんでした)」と比較します。実はこのケーブルが8,000円のために、無理して価格を合わせたそうです。(曲は彼の月の光)
いやはや、余韻が全く違います 。以前、麻倉先生の試聴会でお聞きしたように「響き命」の曲だけに、この変化は重要なポイント。実は試聴会後に一本予約してしまいました。早ければ来週月曜に入荷だそうです。
因みに人気のポタアン用の15cmバージョンもラインナップしてます。

USBケーブル購入は予定外の出費でしたが、やはり試聴会は楽しい!

2016年6月12日日曜日

オーディオイベント二題。

今週末はオーディオで忙しい。今日はStereo Soundのイベントとアナログオーディオフェアのハシゴです。
Stereo SoundはDigiFiの附録のヘッドホンアンプのイベントなのでヘッドホンを使ってない私には今一つだし、アナログオーディオフェアは先日の久々のアナログどっぷり(※コチラ)で疲れ果てたのがトラウマで、両方若干引き気味だったのですが、昨日の麻倉先生の試聴会で「明日はアナログオーディオフェアで試聴会やるよ」と言われたこともあって、何となくお出掛け。

先ずはDigiFiイベント「ハイレゾパーク」へ(※DigiFiのニュースはコチラ
ハイレゾパークは目立たないギャラリーにて。
一度行き過ぎてしまった程、わかり難い地下ギャラリーで開催されていました。
今回は特にDigiFi附録のヘッドホンアンプにフォーカスを当てたイベントですが、日程的に敢えてアナログオーディオフェアにぶつけたのかと思いきや、偶々だそう。「開催場所も近いし両方ハシゴしてくれないかなと思ったけど客層が違うみたい」と仰ってました。
展示は何時ものOlasonicさんやシャーシの奥沢さんN2 Factoryさんなど。何気にOlasonicがNANOCOMPOのアウトレットで安く売ってたり。このスペシャルプライスもイベントならではの醍醐味です。
各種ヘッドホンやケーブル取り揃え
ヘッドホンは使っていない私ですが、「4、5万クラスのヘッドホンを聴くと凄いよ。同じ価格のスピーカーじゃ絶対に出ない音だよ。」とStero Soundの方。オペアンプの変更もできるし、ちょっと考えてみようかしらと物欲が頭をもたげてきました。危険です。

そしてアナログオーディオフェア(※公式ページはコチラ)。思いの外、凄い熱気です。驚きますね。因みに前日はもっと凄かったとか。
建物入口の案内が超地味なアナログオーディオフェア
当たり前ですが、アナログばっかり。来場者の年齢層高め。人にぶつかっても知らんぷり率高し・・・。(自分以外に無関心な人が多いです、本当に。ヘッドホン祭りの若者の方がよっぽど人が良い。(-.-#) おっさんの方が自己中?我が身を反省。)
各出版社も一堂に会してます
何処の試聴会も満杯でしたが、カジハラ・ラボ、サエクコマース、ポーカロ・ラインの3社連合「フォース」が主催する、潮先生の講演会に顔を出しました。以前、麻倉先生の試聴会でも紹介されていたVOXOA(※コチラ)で鳴らしますが、潮先生、「6万円でこの音は素晴らしい。カートリッジを変えれば凄く化ける!」と絶賛。リード線をSAECのPC-Triple Cに変えると、それだけでも違いがクッキリ。潮先生は「2,000円台のカートリッジに1万円のリード線付けるのははおかしいよ」と仰ってましたが其れ位変化の幅が大きいということ。それからSAECの電源ケーブル3種(PCOCC-A:57,000円、PC-Triple C:60,000円、PC-Triple Cの太い奴:95,000円)の比較試聴はやっぱり溜め息ものでしたね。パワーアンプの電源ケーブルを替えただけですが、違いが出ますよね。ただ、潮先生も「アクセサリーは機材の20%以内にすべし」と仰っていましたので、私の環境では最上位機種には手を出しちゃいけないのだと自らを諫めています。この他、潮先生の試聴会は雑学が織り交ぜられ楽しいですね。今日も「そうだったのか」という納得のお話が幾つかありました。

そして、麻倉先生はStereo Soundの45回転LPの試聴会。開始直前にズラリと階段まで入場待ちの列があったので一旦は怖じ気づきましたが、途中から忍び込めました。いやぁ、平凡な感想ですが、良い音ですね。石川さゆりさん特有の情念がいや増しされる感じ。良いですが、デジタルのぬるい音に慣れてしまった耳には、やっぱり疲れました・・・。

それから、初めてアンダンテラルゴ社のブースがあったのが嬉しかった。一社で一部屋確保する力の入れよう。大好きなChordカンパニーのケーブルを沢山見られて大満足でした。頑張っていただきたい!

そんな中、会場で今やハイレゾ・アニソンの第一人者の野村ケンジさんにお会いしたので、MQAの動向をお聞きしました。国内企業の動きがまだ見えないので何とも言えない状況だとか。「ヘッドホン業界の活況を支える若者たちが、ピュアオーディオの世界に入ってくるよう努力している」とのことでした。コチラも頑張っていただきたい!


「MQA」の素晴らしさは噂通りだった!

注目の音声圧縮フォーマット「MQA(Master Quality Authenticated)」の試聴会に出掛けてみた。またも麻倉先生の新宿ビックロでの月例試聴会で、今月のお題が「MQA」だったもので。
ビックロ 麻倉怜士先生 定期講演会

先ずは「MQAとは」。
曰わく、PCMではレートによって差はあるものの、音の立ち上がりから下がるまでがダラダラ。一方、MQAはキュッと立ち上がりパッと終わる。その結果、時間軸の解像度が高まり余韻が非常に美しい。そしてもうひとつの特長が「Origami」と称した圧縮技術。CD並みの転送レートでも高音質な再生ができるという。詳しくは価格コムに鴻池先生がレポートされているので参照ください(※価格コム紹介ページはコチラ:上記「MQAはキュッと立ち上がりパッと終わる」の図解もあります)。
※その他参考ページ:
 ■Philewebの開発者インタビューはコチラ
 ■推進役のMeridianのサイトはコチラ

試聴会はピアノ、弦、オーケストラ、ジャズなどの楽曲を、PCMとMQAの二つのフォーマットで次々に再生して行きます。
シンプルに申せば全く違います。PCMが曲によってはキンキン突き刺さって来るのに対して、耳あたりが優しく、成る程残響が美しい。一音ずつがふっくらしていて明瞭でありながら表現力があるというニュアンスです。

麻倉先生は以下のように表現されていました。
  • 192kHz/24bitリニアPCMは、情報量が多く、綺麗ではあるが単色系。加えて音の出方は真っ直ぐストレート。
  • 一方のMQAは、何より和音が綺麗。ドビュッシーの「月の光」のように音が何重にもなっている楽曲はそれが非常に出ている。低音、中音、高音それぞれにそれぞれの色がついているイメージ。
  • MQAは音の出方がグニュグニュ。
    ※注:「グニュグニュ」というのは解りにくい表現ですが、実際に聴くと良く解ります。グニュグニュなのです。反響がナチュラルで様々な音が重層になっている感じ、でしょうか。
  • MQAで聴くピアノ曲は、鍵盤のタッチ感が蘇る。響きのサブセットが見える感じ。倍音が美しく響き、合奏感と言うか、音の波の輻輳が聞こえる。
イタリアのピアノ「ファツィオーリ」を用いて、聖クローチェ美術館という石造りのホールで録音した「月の光」が一押しと言う、同席されていた音楽配信サイト「HQM(クリプトン)」の代表が仰っていました。「録音の現場にいたが、感動で涙が出そうだった。PCMの音を聴いた時は今ひとつだったが、MQAの音を聴いた時、現場の感動が蘇った。」
この言葉が理解できる程の違いが確かにありました。

実は試聴会の後で、クラシックの発表会に出向いたのですが、生のピアノの響きを聴きながら、「あ、音がグニュグニュしてる」と強く感じ、「倍音の美しさ」というニュアンスを思い出し、MQAの優秀さを改めて感じました。

でも、まだ対応しているDACは数が少なく、環境が整っているとは言えませんね。最も安いのが、4万円程度のMeridianのExplorer2(※公式サイトはコチラ)。選択肢が少なすぎますが、ONKYOも注力して行くそうですから期待しましょう。今日は聞けなかったけど、エンコーダーのアプリがが出てきてMQAフォーマットでCDのリッピングしても意味はないのだろうなぁ・・・。ま、いずれにしても楽しみです。

2016年4月29日金曜日

アナログは疲れる・・・そんな身体(耳)に成り果てた。

試聴会場
麻倉怜士先生による試聴会がビックロで開催されると聴いて出向いてみました。定例会のようですね(※ビックカメラの案内はコチラ)。
TEAC TN-350(※公式サイトはコチラ)、PORCAROLINE VOXOA T50(※同じくコチラ)、SONY PS-HX500(※同じくコチラ)という入門クラスのアナログプレイヤーの比較試聴。課題曲をカーペンターズ(Yesterday Once More)とウィーンフィル(こうもり)とし、その他数曲を適宜流す形で進められます。流石、麻倉御大の現場だけあって、各社担当者が出席されていました。

まずはTEAC。この赤いバージョンはビックカメラオリジナルで、海外ではアパレルのショップなどで使用されているデザイン強化バージョンだとか。シェルも一個、おまけでついているし、G.W.期間中、ポイントが倍!
でも、サウンドは、・・・厳しい。これならCDの方が聴きやすいし、何しろ醸し出す雰囲気が古臭い。「懐かしい感じ」はするのだが、アナログにする意味が感じられない。USB出力もあるのでお手軽ではあるのだが、アナログってこんな感じなのかと落胆。デザインは好きなのですが、残念。

次にPORCAROLINE。TOTOのJeffrey Thomas Porcaroを愛して止まない社長が香港のターンテーブル会社からの売り込みに思いの外気に入って輸入を決めた代物だとか(“VOXOA”のロゴは前からでも後ろからでも逆さにしても“VOXOA”だそうです)。オート機能がついているのでとっても便利。私は子供の時からレコード盤に針を落とすのが滅茶苦茶苦手なのです。
サウンドはより今風に仕上がっており、TEACよりずっと聴きやすい。特に、課題曲より松田聖子さんのシングルと石川さゆりさんの45回転LPの音の厚みや深みは突出して素晴らしかった。

最後はSONY。開発責任者の方がいらっしゃっていました。綿密に素材選びもして、シェルもカートリッジも変更不可。ターンテーブルも重心を下げるためにボディに埋没させているなど独自の考え方でチューニングを施している。有名な、かないまる氏(※ブログはコチラ)が後ろで糸を引いているようだ。やりにくかっただろうな・・・。
サウンドは更に情報量が多かったです。本機はUSBメモリにデジタルデータを吐き出す機能がついており、前もって落としてあった、課題曲の44.1kHz、198kHz、2.8MHzDSD、5.6MHzDSDも順に試聴できました。
技術の方曰く「プレイヤーの蓋を外していると、リッピングも周囲の音の影響を受ける」との発言。成程そうかもしれない。ところが更に驚いたのが、今回は通常聴く音量より少しだけ下げた状態で音を出しながらリッピングした時に良い音になるように調整したとか。芸が細かい・・・。
リッピングしたサウンドはそれぞれ全く違います。DSDは流石の一言。実は私、2.8MHzが最も心地よく感じたのです。アナログ出力より良いかも・・・。試聴会終了後、同社エンジニアの方に伺うと、確かにアナログよりデジタルの方が良いという人はやはりいるそう。
ここのところずっとデジタルの音ばかり聴いていたので、どうやらアナログのサウンドの情報量の多さに疲れているよう。何だか本当に疲れました。その結果、2.8MHz程度の音が一番心地よかったのでしょうか。
麻倉先生に伺うと、「2.8MHzは高音をカットしているから音がとろんとしている。だから聴きやすいし、聴き疲れしないのでは。」とのことだった。デジタルの音に犯されているのかもしれない。そんな耳に成り果てたのか!

ちなみに「春のヘッドフォン祭り2016」にも行ってみました。本当はREBECCAのNOKKOさんも登場するイベント(※同店ブログはコチラ)に出たかったのだが都合が悪く、雰囲気偵察だけで帰りました。
相変わらず盛況で、ヘッドフォン、イヤホンのブームはまだまだ続いているなと実感。野村ケンジさんによる自作ポタアン聴き比べ選手権があるのが気になります。こういうことがキチンとブームの下支えになるんですよね。私は外では音楽を聴かないので、取り敢えず雰囲気を浴びただけでその場を去りました。
ブース風景その1
ブース風景その2

2016年4月9日土曜日

見た目は小さいけれどBigな効果の仮想アース “Minimus”

仮想アースについては興味があり、アコリバのRE-9で悩んでいたこともある私(※過去記事はコチラ)。この度Entreqの試聴会がaudio unionアクセサリー館で開催されたので参加してまいりました(※告知ページはコチラ、製品紹介ページはコチラ)。プレゼンはオヤイデの「みじんこ」こと、荒川さん。
会場の様子
スピーカーはELAC BS312、プリメインアンプはTRIODE、CDPはAaccuphaseという布陣です。

先ずはアースケーブルを接続しないでスタートし、次からはオプションのアースケーブル(RCA)で以下の順番で聴いて行きます。曲はノラジョーンズ。
  • Minimus に1本だけ接続
  • Silver Minimus に1本だけ接続
  • Minimus 2台に1本ずつ接続
  • Silver Minimus 2台に1本ずつ接続
  • Tellus 1台に2本接続
  • Silver Tellus 1台に2本接続
実は最初のMinimus1台の時は思った以上に変化がなく、「こんなものなの?」と驚きました。しかしSilverにすると変化量は大きくなります。そして2台接続はそれ以上に変化を遂げます。当初、「価格を鑑みてMinimus1台にあわよくばアンプとCDPを繋げないか」などと考えていた私だけに、その結果にガックリ。圧倒的にSilver Minimus 2台が良いではありませんか・・。
価格を考えると、TellusシリーズよりMinimus複数台の方が良いことが分かります。(価格を考えずともMinimus複数台の方が良いかもしれません)

続いて、Silver Minimus 2台に接続するアースケーブルをRCAからXLRに変更します(曲はキースジャレットに)。
これまた大きく変わります。会場での挙手ではRCA派の方とXLR派の人はほぼ同数でしたが、私は圧倒的にXLRに軍配を挙げます。清涼感が違います。荒川さんによると、一般的にXLRの方が違いが出やすい傾向にあるそうです。

更に、アースケーブルを接続する機器による違いを比較します。これまで通りアンプ /XLR接続(2本)とCDP/XLR端子(2本)の比較です。
パッと聴きはCDPの方が余韻が綺麗に聴こえます。でも聴き続けると、CDPの方は若干甘いのでは、と感じるようになります。会場ではCDPに接続した方が好きという方が若干多めだったのですが、微妙ですがアンプの方がベターではないかと私は思います。
荒川さん曰わく、一般的にはプリアンプがベストと思うとのこと。また、AaccuphaseのCDPに関してはRCAの方が良いかもしれないとも。

さて、接続法は更に複雑になります(音源はサラブライトマン)。
  • Minimus 2台にXLRで接続
  • Silver Minimus 2台にXLRで接続
  • 2本のXLRをMinimusとSilver Minim1台ずつに接続
  • 1本のXLRをMinimus経由でSilver Minimusにデイジーチェーン接続
  • 1本のXLRをSilver Minimus経由で Minimusにデイジーチェーン接続
さすがに疲れてきてクラクラしてきました。潜在意識によるところが大きいと思いますが、Minimus<Minimus&Silver Minimus<Minimus→Silver Minimus<Silver Minimus→Minimus<Silver Minimus といった順。「Minimus&Silver Minimus」が「Minimus」「Silver Minimus」のちょうど真ん中に位置するとすれば、Silver Minimus側の半分の側に「Minimus→Silver Minimus」と「Silver Minimus→Minimus」が配される感じでしょうか(分かり難くてスミマセン)。デイジーチェーン接続が思った以上にSilver側に引っ張られる感じがしたのが印象的でした。「Silver」は若干キツ目になるので、「Minimus・Silver Minimusデイジーチェーン」パターンはアリだなと思います。

音源をCDPからアナログに変更します。
Silver Minimus 2台にフォノアンプ(フォノイコライザー?)のXLR端子から接続しますが、CDPの方が変化が大きいですね。
そしてアースケーブルを色々と変更してみます。アー ケーブルの線材によって大きく変化すると、「旬の音本舗福田屋」の福田雅光先生も言ってましたが、この時点でもう疲れ果てており、集中力が続いておりません。開発中の6万円想定のケーブルまで出動しますが、違いはあれど、もうどうでも良くなっていました。曲によってもどの組み合わせが良いか変わってきてしまいますし、選べないよな、と思ってしまいます。

更に更にスピーカーをStirling社の3ウェイに変更します。
Silver Minimus2台に、フォノアンプのXLR端子から接続したのと、フォノアンプのアース端子からYラグでデイジーチェーン接続したもの。うーん、どっちでもイイや・・・。ELACの方が変化が顕著ですが、いやぁ兎に角疲れました。

要は中身の素材と量が問題なのですが、荒川さん曰わく、製造元に問い合わせても詳しくは教えてもらえないそう。結局のところ、Minimus1台では内容物が足りない。TellusはMinimusの10倍位の重量があるけどMinimus2台の方が費用対効果が高い、という結果でしょうか。
参加者には特別価格が提示され、その場でSilver Minimusを2台購入された方を含めて4台が売れていました。お値打ち価格だったのは事実です。でも、買うならSilver Minimus1台+Minimus1台となるのですが、それにしても高額過ぎる・・・。結局諦めました・・・。「その前にまだやることあるしな」と、自らに言い聞かせつつ、その場を離れました。

2016年3月25日金曜日

ハーモネーター。私にとっては馬の耳に念仏。

止せば良いのに、FIDELIXのハーモネーター SH-20Kを手に入れた。(※同社サイトのPDFはコチラ
「人間には聴き取ることができないとしてCDではカットされている20kHz以上の成分を付け加えることで、CDの音をナチュラルに。長時間聴いても疲れにくい、優しく心地よい音にする」という触れ込みの物。1994年11月発売で92,000円とくれば結構な代物。
ハーモネーター FIDELIX SH-20K
効果が見られれば通常システムに組み入れるし、ダメでもスーパーツィーターにつなげば良いかと思い入手し、試してみた。

先ずはCDOPからデジタル接続したDACからの出力を入力。
ん?・・・全然解らない・・・。まぁ、もとより聴こえない領域だから「聴こえなかった音が!」というものではなく、雰囲気が変わる、はず、と思って何度か聴くけれど・・・解らない。五段階のスイッチを切り替えてもダメ。もしやと思い、パワーをOFFにすると音が出なくなるから間違いなく通電はしている。ん~・・・。

それじゃあ、スーパーツィーターだけで試してみよう。
全然解らない・・・。以下同文。

惨敗でした。
年齢と共に高域が聴き取れなくなっているから?
そもそも機器の問題?
ま、前者でしょうね。

翌日、再挑戦を敢行。
少し大きめの音で、金管華々しいチャイコフスキーの「1812年」をぶっ放す。
あーなるほどね。今度はわかる気がします。
「ノイズが増えるだけ」と感想を述べている方がネット上にもいらっしゃいますが、確かにそんな感じにも聴こえます。「ニュアンス」と評するか、「ノイズ」と断ずるか、微妙なところです。もろ手を挙げて万歳三唱、というわけではなさそう。

いずれにしても、まぁ、耳の衰えを目の当たりにして落胆したお買い物でした。

2016年3月16日水曜日

“アクティブ・ノイズ・キャンセレーション”でDC電源をクリーンに。

先日、中村製作所のスイッチングACノイズフィルターNMMB02導入記をアップしましたが(※過去記事はコチラ)、先日“HIGH RESOLUTION FESTIVAL”にて同様の使用法となる“iPurifier DC(※公式サイトはコチラ)”について、iFi audioの方に話を伺えました。(※HIGH RESOLUTION FESTIVALについてはコチラ
HIGH RESOLUTION FESTIVAL at SPIRAL

曰く、
  • 多くのノイズフィルターはフェライトコアを噛ます物で、「音が面白くなくなってしまう」と多くの方が仰る。
  • しかし、iPurifier DCは“アクティブ・ノイズ・キャンセレーション”という方式。
  • ノイズの逆位相の波をぶつける、言うなればノイズキャンセリングヘッドフォンと同じ方式なので、ノイズだけを減衰させることができる。 
とのこと。
iPurifier DC(iFi audioサイトより)
「ノイズフィルターをDACに繋いでもあまり効果がみられず、NASに繋いだら凄く効果があった」とお話しすると、「そういう方が多いけど、iPurifier DCならDACに繋いでも驚くほど効果が出る!」と、自慢されていました。
基本的にプラグの径を合わせるだけで、オーディオ用とだろうがノートPCだろうが、使い場所を選びませんし、非常に興味がありますねぇ。さて、どうしよう・・・。

2016年3月13日日曜日

またもChordケーブル。

大好きなChord Companyのケーブル。(※本国の同社サイトはコチラ、日本の輸入代理店アンダンテラルゴ社のサイトはコチラ

以前、audio union御茶ノ水アクセサリー館の方と話していて、
  • 私:「Chordケーブルが好きなんですよ」
  • お店の方:「ああ、イイですよね」
  • 私:「でも高いのはべらぼうで、買えないですよね」
  • お店の方:「ところが高いヤツは、悔しいけど値段の分、イイんですよ、これが」 
というやりとり。うぅ、何時しか高いモノを聴いてみたいと切望するように・・・。

と言っていたら、またも発見してしまいました。「Chordケーブルの高いモノ」と言えばSarumシリーズとか、トップランクは1mで64万円と言う、もう訳の解らない世界があるのですが、もうそこは夢の夢として、発見したのがCadenza Referenceシリーズ。(※コチラ)。先日ゲットしたCHORD COBRA VEE3(※過去記事はコチラ)の一つ上のグレードです。
「なーんだ」という叱責が聞こえそうですが、それでも1mで45,360円。「1万円グレードアップ」を目指す私にとっては高嶺の花。これが、0.5mというイレギュラーサイズで9,980円で出品されていた(Fijiya Avicにて)。同社では@0.1m 1,200円(税別)で換算しているようなので、38,880円! 即、購入。
Chord Cadenza Reference(アンダンテラルゴ社サイトより)
従来の環境(クロックコンバーター経由のデジタル系とTERZO V2のアナログ系)と併存させ、いざ試聴。
先ずは、小澤さんのローマ三部作。金管の響きが前面に出る曲ですね。
おっ。音の傾向がTERZO V2と似ています。切り替えても「どっちだっけ?」と思うほど。音の厚みやゆったりさ、そして金管の響きも。
ではSACDは、と言うことでLipkindによるバッハの無伴奏チェロ。
此方は微妙な違いが出ます 。残響音はTERZOの方が多く感じます。余韻が長く続きます。一方でチェリストの姿がより前方に浮かび上がってくる。太さはほんの少しTERZO。
HEIFETZのFinal Recitalを聴くと、一音一音の歯切れがChordの方が良いことが解ります。それが残響音の違いに出るのでしょうか。
Rod Stewartの昔の録音はどうか。ボーカルの生々しさがChordで、全体的なボリューム感はTERZOかな。
うーん、どっちが好みかと言うと、僅差でChordに軍配、でしょうか。あくまで我が家のTERZOは自作ですので悪しからず。オリジナルがどうかは不明ですが、元値の違い考慮すれば、TERZOは健闘しています。
しばらくは両方聴き比べを続けることにしよう。

2016年3月8日火曜日

デジタルケーブルのその後

新たなデジタルケーブルを入手した。
それは「柳田オーディオケーブル」という物(※同社サイトはコチラ)。
ヤフオクで発見した案件で、知らない会社だったけれど、何らかのこだわり抜いた代物は信じてみる私。既にサイトに掲載されていない前衛機種だが、競争相手もなく6,000円で入手。おそらく20,000円程度はしたんでしょうね、元値は。
右:柳田オーディオケーブル、左:サウンズ・ナカムラケーブル、手前:クロックジェネレータ
前の持ち主の方もクロックケーブルとして使用されていたそうで、私もクロック用に使用していた三菱電線の銀線と交換します。
大きな変化はありませんが、若干深みというか“どっしり感”が増したかな、という感じ。
■クロックジェネレーター→[柳田オーディオケーブル]→クロックレシーバー
■CDP→[三菱電線]→クロックレシーバー→[DH Labs]→DAC→[Chord]→AMP
という組み合わせに落ち着いた。CDP→[OYAIDE TERZO V2 自作]→AMPのアナログ系統と比べ、音の明瞭さ、億位機関の違いが明確になり、満足!
ちなみに、 日本オーディオDG-5000Gは、DDC→DACの経路に落ち着いた。

さて、柳田オーディオケーブルの前の持ち主の方から「馴らし」について情報をいただきました。柳田オーディオケーブルのサイト内で紹介されている内容です(※コチラ)。ケーブル自体の「バーンイン」だけでなく、システムとの「馴染ませ」に多くの時間が必要とか。こんなに時間を要するのであれば、比較試聴できないですね。
ということで、上記内容も、「只今絶賛馴染ませ中」の感想ですので悪しからず・・・。

2016年2月22日月曜日

スイッチングACノイズフィルターの使い処。

かつて記載のように(※過去記事はコチラ)、CDPからのデジタルアウトを接続するDACとしてStyle Audio CARAT-SAPPHIRE (※AVwatchの紹介記事はコチラ)を使用している。しかし例によってACアダプターが貧弱で若干気になる。もちろんメーカーも安けりゃ良いとは思っていないだろうが、そこはやっぱり・・・。で、発見したのが、BusPowerPRO用のオーディオACアダプターで有名なFIDELIXのFL-AC-st1(※ZIONOTEのサイトはコチラ)。うーん、1万5千円弱はなぁ。BusPowerPRO用の物(FL-AC-zn1)は電圧も端子径も合わないし・・・と悩んでいたら、世の中にはあるもので、中村製作所のNMMB02(※同社サイトはコチラ) 。私好みのツールを出してくださる大好きな会社ですが、このNMMB02は機器付属のACアダプタを繋げば電気を綺麗にしてくれるという逸品。発想が素晴らしい。そしてこれがaudio unionで中古で出てくるからもっと素晴らしい。10,080円のところ5,400円!
NMMB02(同社サイトより:現物はケーブルが白色でした)
但し、変換ジャックが必要となります。Style AudioのDACのDCジャックは外径3.4mm内径1.4mmで、NMMB02の径はインもアウトも外径5.5mm内径2.1mm(内径2.5mmのアダプタは付属している)ですから、かなり異なります。
いそいそと秋葉のガード下に出向いて、ほぼ同じ定格のACアダプターや5.5→3.4の変換ジャックを買ったり、翌日再び足を運んでパーツ類を仕入れて変換ケーブルを半田付け自作したりと、あれやこれやと奮闘努力。「じゃあ、最初からFIDELIX買えば?」という内なる声を無視していざ試聴します。
・・・「あんまり変わらないや」・・・。
静寂感が高まるとか、高域の伸びが・・とか顕著な違いを期待したのですが、結果は微妙なところ。プラシーボを自認しつつ、高音の煌めきや無音の凄みは増した、かな?でも音が落ち着いたというのか大人しくなったというのか・・・。元々電源の環境には気を付けているから差が出にくいのかしら?ま、いいや。楽しかったから。これ以外にも使い回せるし、あって損はない製品ではないでしょうか。

と、半ば諦めながら終わらせようとした時、「NASの電源に使ってみたら」と、ふと気づきます。NASはio data(正確には“挑戦者”)「Rock Disk Next」。アダプタの口径は5.5。早速に試してみると、違いは顕著!高音の密度は増してキツさも和らぎ、音場も立体的に膨らみます。コチラの方が断然「あり」です。思いもよらぬところで落ち着きました。

そういえば最近発売されたiFi AudioのiPurifier DC(※同社サイトはコチラ)も同様のコンセプトですね。ちなみにこちらは「アクティブ・ノイズ・キャンセレーション」と称し16,000円ですが、3.5 x 1.35mm用のアダプターも同梱されているそう。因みに、このアダプタだけ欲しくなって、ダメもとで問い合わせしましたが、販売できないとの回答でした。
iFi Audio iPurifier DC(同社サイトより)

ついでにもう一つ。
バイブレーションキラー STB-1(※SOUND MAGIC社サイトはコチラ)!
バイブレーションキラー STB-1(SOUND MAGICサイトより)
「サウンドキラー」と来たもんだ。強そうなネーミング。
機器の天板とラックの棚板の下部を結ぶことで、機器と棚板の両方の不要振動を抑え込むそうで、こんな設置法もあるそうです。
逆転の設置法(SOUND MAGICサイトより)
なんか楽しそうでしょ?audio union御茶ノ水アクセサリー館の店頭で拝見し興味を持ちました。これまた中古が出ていて5,400円のところ3,500円。御覧のように4種類の支柱(20mm30mm50mm80mm)が付属しており、31mm~105mmの間隔の場所に対応可能だとか。
パッケージ内部(下部が四本の支柱)
喜び勇んで家に帰ったら、なんと我が家のCDPの上部には20mm程度の隙間しかなかったことが判明しました・・・。ヘンなオチでナサケないのですが、次なる出番の時を楽しみにしております。

2016年2月15日月曜日

デジタルケーブル較べのために。

 我が家にもデジタルケーブルが各種揃ってきました。これ等を適材適所、ベストな組み合わせで活用したいなと思い始めました。
  • 日本オーディオ:DG-5000G(※同社後継機種のサイトはコチラ
  • オルトフォン:7N・SDL-001(※Philewebデータベースはコチラ
  • SAEC:STRESS FREE DIGATAL-6N
  • Pro Cable:ベルデン 1506A(※同社サイトはコチラ
  • オヤイデ:AS-808B V2(※同社サイトはコチラ
  • 三菱電線工業:BW58(※同社企業サイトはコチラ(当該機種の掲載は無い))
  • サウンズ・ナカムラ
  • (飛び入り参加のアンテナケーブル)AVINITY:AYAT/LA(※輸入商社「yukimu」サイトはコチラ
  •  DH Labs:D-750(BNC/1.0m)(※同社サイト(販売サイト?)はコチラ
使用箇所は「クロックジェネレーター→クロックレシーバー」「CDP→クロックレシーバー→DAC」という経路の途中の三箇所。先ずはクロックケーブル(クロックジェネレーター→クロックレシーバー)から試聴を開始します。ネット上では「ものスゴク違いが出る」との記述があるのですが、以前、Pro Cableからオヤイデに変更した際の印象はそれほどではなく・・・。今回はもっと真面目に聴き比べしました。
 上記ラインナップの後半の6種を試します。Pro Cable(ベルデン 1506A)は同社にクロック用の最適品はと問い合わせたところ薦められた線種。オヤイデ(AS-808B V2)は同社が「クロック用」と謳っているもので、これを常用中。三菱電線工業(BW58)はヤフオクでゲットしたもの(BNCケーブルは競争相手が少なくて良いですな)で銀線ながら1,700円で入手できました。 クロックは長さに影響を受けやすいと聞くので1.5mとちょっと長いのが残念ですが、どうでしょう。サウンズ・ナカムラ(素材不明)は「クロックにはこれ!」という中村さんの絶対の自信によりクロック用として購入した物で日頃はDAC(X-DP1)に向けて使用しているものです。最後のAVINITYは間違えて購入したアンテナケーブル。同社はPhilewebでも特設ページを設けていますが(※コチラ)、ドイツでは非常にメジャーな会社のようで、「安くて高品質」がウリだそうです。F接栓変換ジャックを装着して参加させました。そして最後にDH LABS。元値は二番目に高額ですが、BNCケーブルなので中古はお手軽でした。アメリカのスタジオエンジニア御用達のケーブルで「特別に研磨され たシルバーコート高純度OFHC単線導体は、DHラボの誇るAir Matrix誘電体で分厚く包み込まれ(同社サイトより引用)」ているそうです。「クロック用」とは謳っている物ではないのですが、折角のBNCなのでクロックケーブルとして試してみます。

 さあ、改めて比較してみた結果です。曲は賑やかな管楽器で始まる「ローマの松(小澤征爾さん指揮(小澤さんグラミー賞おめでとうございます!!))」
 まずは常用のオヤイデからPro Cableに変更。滅法明るい、但し少し軽薄。高音が明るすぎるのかしら、薄っぺらく感じてしまう。続いて三菱電線。私は銀線は初めて。「音がキツくなる」という人もいらっしゃいますが、わたし的には高音の響きも太さも前の二つより好印象。そして中村さんケーブルは、贔屓目もあって一等賞!最も高音部の伸びがありつつどっしりしている、気がする。径や硬さは違うけれど、音の傾向は三菱電線と同様なので、中村さんケーブルは銀線なのかな?? 続いてAVINITYは予想外に善戦。解像度には若干欠けますが元気が良く厚みはあり、価格を考えると結構な物です。そしてDH Labs。うーん、これも良いです。パッと聴きでは、大人しいのですが、奇麗にキチンと繊細に再現するイメージでした。

 続いて「クロックレシーバー→DAC」の経路です。
クロックケーブルはPro Cableにし、敢えて「クロック用」と謳っているオヤイデも参戦させてみます。
 しかし、クロックレシーバーCCV-5のデジタル入出力端子はBNC・RCAがついているのですが、一方のCDPやDACはRCA。このため変換ジャックが必要となり、少しでもクオリティを追い求めたい、と思って探したところ、発見したのがCANARE製品。BCP-RCAJ(BNC♂-RCA♀)、BCJ-RCAP(BNC♀-RCA♂)(※同社サイトはコチラ
CANARE 左:BCP-RCAJ 右:BCJ-RCAP(同社サイトより)
同社サイトに「信頼性を求められる用途にも、自信を持っておすすめします。」との記載もあるし、「端子もしっかり作ってある」とのオーディオショップの記事もありましたし、CANAREですから、信じましょう。実際に現物を見ると、なかなか良さ気でした。こういった商品でいつもお世話になるサウンドハウスでBCP-RCAJもBCJ-RCAPがも432円・・・なのですが、BCP-RCAJと間違えてトモカ無線のBNCP-RCAJ(259円)を購入してしまいました。型名までそっくりで、間違えてしまいました。悔しいところですが、トモカ製も丁寧に作ってある感じなのでまあ良いかと。

 さてさて、聴き比べです。結果的にはDH Labsの勝利。クロックの比較の際と同様に、Pro Cableは明るく軽く、オヤイデは若干もったり(落ち着いていると言えば落ち着いてる)。SAECもオヤイデに似た傾向で、オルトフォンはSAECよりは少し厚みが出て。そして、三菱がパッと聴きで音が立体的になって煌びやかでもあり厚みもあり。日本オーディオは三菱を少しだけ控えめにした感じ。AVINITYは一瞬厚みが出た感じなのですが、やや粗い。そしてDH Labsは若干控えめに聴こえるのですが、その実、きめ細かな再現性、特に静寂時の微かな音の表現力が素晴らしく、何より前後奥行き感が増したところが最も満足です。

 「CDP→クロックレシーバー」の部分が中々取り換えにくい構造になっているため、この辺りで精も根も尽き果て、「エイや」で暫定版として決めたのが、「クロックジェネレーター→[AVINITY]→クロックレシーバー、CDP→[三菱電線]→クロックレシーバー→[DH Labs]→DAC」というセレクト。正直言ってだんだん解らなくなって来てしまっているのですが、音の広がりが出て繊細にもなり、「良くなった」と信じることにします。クロックケーブルはオヤイデとAVINITYとの比較でしたが、煌めきでAVINITYに軍配を上げたけれど、今一つご不満。「クロックレシーバー→DH Labs→DAC」は決まりとして、ここでもう一つの選択肢として「クロックジェネレーター→[三菱電線]→クロックレシーバー、CDP→[日本オーディオ]→クロックレシーバー」を念のため試してみることに。すると、大きな変化とは言えないのですが、これが一番しっくり行く感じです。

 ひとまず決着させますが、クロックケーブルはもう少しお気に入りを見つける努力(1万円未満で)が必要かもしれません。オヤイデの銀ケーブルDB-510(※コチラ)か、それともAirbowのクロックケーブルMSC-060(※コチラ)か、はたまた今回気に入った三菱電線のいつも売り切れCX-1(※コチラ)か、 「銀線」でググっていたら発見したSoundHouse輸入のZAOLLAのZBNC103(※コチラ:3,888円とは安っ!!)、といったところが候補ですかね、今のところ。
いずれにしても、ProCableが総て一気に補欠になってしまいましたねぇ。価格の割に本当に健闘してくれるのですが・・・。

2016年2月13日土曜日

オーディオにとって “消磁 (DEGAUSS)” は必須作業 (?! )

オーディオにとって「帯磁」は大敵。実際のところ気にしていなかったけれど、そう言われると気になり、そんな気持ちになってしまう。
「消磁用CD」なるものも存在します。音を出すだけで磁界が変わるものか?と疑問も感じるけれど買ってしまう悲しさ。エージングもしてくれると言うのですが、やってみても効果は不明のまま。
さてここで「DEGAUSS」登場。強そうな名前の響きだが、要は「消磁」(そのまんまじゃないか・・・)。
オーディオメーカ としては聞き慣れぬ会社ですが、静岡にある「愛和」という企業(※コチラ)。
現在は第二世代だが、初号機を例によって中古でゲットしてみました。二号機の方が効果があるということだけれど中古市場で見かけないため、初号機で手を打った次第。1分強でフェードアウトして終わる「消磁モード」と、ずっと同じボリュームで切るまで続く「エージン ・モード」、更には通常モードとサブウーファー・モードもあります。
早速試してみると、最初の印象としては変化が「?」という感じだった(※過去記事はコチラ)が、その後の印象としては、端的に言えば音が軽くなる。確かに精細度が高まるのだが、それ以上に軽~い感じ。うーん、「それが本来の音」と言われてしまえばそれまでですが・・・。

さて、その「DEGAUSS」の試聴会がaudio unionお茶の水アクセサリー館であるとのことで出向いてみました。
audio union 試聴会場
先ずは新製品情報。(※同社商品ページはコチラ、当日配布資料はコチラ
「サウンドコンディショナー」と称していますが、聞けば、試聴したあるショップの方が命名されたそうな。確かに消磁だけでなく、ADコンバーターがついており、単なる「消磁器」の域は超えています。

従来機との違いは以下の如く。
  • デジタル出力端子(コアキシャルと光と両方)がついている。(アナログの音をADコンバーターでデジタル化しており、アナログ出力の方が周波数帯域は高音部に広くとっており、おススメだそう。)
  • モードは3つあり、1.業務用システム、2.ピュアオーディオ、3.ヘッドフォンを想定した用途で、発信する周波数が異なる。
  • 消磁の際の音はずっと優しくなった。(モードによって違いあり)

要はハイレゾの流行に合わせ、デジタル対応にしたのと、効果をより高い周波数に上げたそうです。その結果、価格もサイズ(体積)も8倍程度になっております! 愛和の方曰く、「自然なサウンドを醸し出すADコンバーターも内蔵して常時使用できるようにした」とのことですが・・・。

試聴会は、デジタル入力端子がついたCDプレイヤーを使用し、先ずはそのままCDを流し、次にそのままの環境で消磁した後、同じ曲を流すという手順。試聴盤は石川さゆりさんのStereoSoundのマスターCD-R(※コチラ)。
消磁は3つのモードの内の「2」で行います。その結果は、傾向としては我が家で感じたのと同じもので、音が軽くなります。特に高域が確かに軽くはなりますが精細度は上がっていて響きも美しい。初号機以上の効果かもしれません。また、中域のもたつきがより軽くなった印象が強いです。我が家では中域の変化はあまり感じられなかったので伺ってみると、初号機の中域への効果は若干弱いとか。一応印象通りと安心しました。ただ、別の参加者の印象では消磁前の方が良かったとのことで、上記のように私が我が家で感じたのと同じ傾向の印象なのだと思われます。

試聴会は続けて「3」のモードで消磁をかけてみます。既にある程度の消磁が終わっているから変化が少なかろうと思っていたのですが、結果は高域の軽さが若干緩和されたような気がします。隣の方は「3」の方が違いが明確だとの感想だったのですが・・・。「2と3で音が変化するということは、2でやっても帯磁はゼロになっていないということ?」という疑問が生じますが、その辺りのメカニズムははよく解らないそうです。
この他、低音ズンズンのフュージョンとオーケストラも同様に試聴しましたが、フュージョンの低音は見事に低減。確かに一音ずつ明瞭にはなっているが、如何せん軽くなり迫力がなくなる。「ズンドコが良かったのに」と言う方には残念な結果だろう。オーケストラは4回目の消磁作業となることもあってか、あまり変化は感じられませんでした。
ビンテージのシステムでそのサウンドがお好みの方は使用しない方が良いだろうとのことですが、確かに薄っぺらな音に変化したような“気”がしてしまうのが辛いところです。

ここで、会場で得られた情報をいくつか。
  1. 消磁用のCDとの違い
    CDは様々な周波数の音を低いものから高いものへと順にスイ―プさせている。一方DEGAUSSは、同時に複数の周波数の音を同時に流していることと、順に音を減衰させて、キチンと消磁しているのが大きな違い。
  2. 「帯磁」「消磁」のメカニズム
    電流が流れると次回が生じ、それが永久磁石のように、電源を切っても残ってしまう。帯磁すると、周波数によって時間のずれが生じ、音が濁り、定位がボヤけてしまう。そこで+側-側に同じ振れ幅になる音を流し、さらにそれを次第に出力を絞ることで次第に帯磁が消えていく。(※二号機の技術資料はコチラ
  3. 使用頻度と再生ボリュームについて
    システムによって異なり、敏感な方であれば、天候にも左右されるが、通常は一週間に一回と申し上げている。少なくともシステムのマイナスにはならない。
    また、消磁の際の音量は、通常音楽を聴いている際の大きさで良いとか。大きい方が良かろうと、何時もデカい音で鳴らしてましたが意味がなかったようです。
  4. モードによる違い
    4つの周波数を同時に出力しており(従来は3つ)、その組み合わせによって音が変わるため、そこで開発者の官能テストの結果で組み合わせる周波数をチョイスしたそうです(具体的な数値は秘密)。だいたい8割の人が「2」を選ぶそうで、イメージとしては「2」は広がりがより出るようになるので、オーディオシステムをキチンとセットしてある方に向いており、システムによっては広がり過ぎることがあり、その際は「3」を使用して欲しいそう。
  5. その他
    帯磁は特にカーオーディオで酷いため、車のRCAインに繋いだり、トランスミッターやBluetoothで繋いで消磁すると効果絶大とか(ただし、24Vには対応していません)。
    また、ギターも帯磁しやすく、消磁するとピッキングの音が明瞭になるため、あるミュージシャンは演奏する度に消磁するそうです。

audio unionの試聴会としては珍しくガラガラでしたが 、“消磁”というものがまだ一般的ではないのでしょうね。愛和の方のお話だと1、2時間程聴いたら「もう帯磁してきた」と分かる方がいらっしゃるそうで、そういう方々には必要なのでしょう。その効果の程はともかく、この価格では申し訳ないですがDEGAUSSに手が出なかったでしょうね。私はせっかく購入した物があるので、忘れた頃、奥さんが居ない時を見計らって「ブォーン」とやってます。ショップでの貸し出しも検討されているそうですが、ご興味がある方は二号機を手に入れてみるのも手かもしれません。

2016年2月12日金曜日

(続)バッハ 無伴奏チェロ組曲(全曲) を色々と漁ってみた。

以前、バッハの無伴奏チェロ組曲が大好きと、複数の演者のCD聴き比べを記載しました。(※過去記事はコチラ
取り敢えず感想をアップしたことで満足して流行病も一段落、と思っていたのですが、その後少しだけその余波があり、続編として二枚だけ追記しておきます。(具体的な内容がわかるようAmazonのリンクもつけておきますが、決してアフィリエイト狙いと言う訳ではありません・・・・少しはあるけど・・・)

まずは、大いなる変化球。
Ron Carter (2012/3/21)


言わずと知れたJazzベーシストのロンカーター。
以前、無伴奏組曲を色々ネットで"漁って"いる際に発見したものなのですが、どうにも変化球なので一度は踏みとどまっていたのですが、我慢できない体質で、つい・・・。
結果は・・・すっごい変化球でした・・・。正攻法でコントラバスで忠実にチェロの運指を再現していたら、と思ったのですが、まぁ、無理ですわね。Jazzでした。しかも"ウッドベース"でした、完全に。録音が良くてベースの響きが心地よく・・・という感じでもなく、ひたすら弦の弾ける音がビヨンビヨンするというもの。奥さんも「何それ?」との」感想。残念。

そして次に大御所、ロストロポーヴィチ。
Mstislav Rostropovich (2008/7/23)


前回なぜこの盤を加えなかったか忘れてしまいましたが、disk unionが会員サービスデーを開催していたので出向いた際に発見してゲット。
響きはあまりなく、ちょっと遠くの方で弾いている感じです。音がふくよかでもなく、心もそれほど籠ってないように聴こえてしまう。録音のせいかしら?あまりに"ON"で録られても厳しいですが、天井高めの部屋で弾いているにを窓越しに聴いている感じ、なのも残念な感じを否めません。難しいですね、好みでしょうし。演奏としてはこちらもあっさり目で気楽に弾いている感じです。

ということで、今度こそ少しお休みしようと思った、更なるつまみ食いでした。

2016年2月5日金曜日

"ゾウの足" ケーブルと "合金メカ" クランプ!

さて、本日もケーブル三昧。
以前より、audio unionの店頭で、白い布で覆われた姿が不思議な感じで気を引かれていたのが日本オーディオのケーブルでした。非常に高額なケーブルですが、その社名通りに、何となく "日本製" という雰囲気を醸し出していたものです。
そんなケーブルを、先日、ヤフオクで発見し、お安くなっていたので、また無駄遣いしてしまったのが、コレ。デジタルケーブルDG-5000G/1.0m(※同社サイトはコチラ(当該機種は既に掲載なし))で、37,800円のところ、9,724円也。
日本オーディオ デジタルケーブル(写真は後継機種DG-7000(同社サイトより))
「白い布」の正体は「無染色綿」だそうで、実物は芯線そのものがフニャフニャしているために、見た目と相まって何だか妙なヤツであります。取説によると「埃はブラシで落とす程度にしろ」「濡らすと音が変わってしまう恐れがある」とのこと。この素材では汚れそうだなぁ・・・。これも取説からの引用ですが「特にD/A側20~30cmに(ゾウの足のように)弛みを寄せると”開放感”が更に改善される傾向があります。」とのこと。長さも敢えて1mに抑えているそうで、何だか面白そう。それにしても自ら称する「ゾウの足」とは言いえて妙。

設置はDDC(iFI-audio iLink)からDAC(Nmode X-DP1)の間にすることにしました。
これまで使用していたオルトフォンのデジタルケーブルとの比較です。このオルトフォンはSAECのデジタルケーブルと比較しても中域がグンと張って気持ち良いので気に入っていました。
さあ、比較結果ですが、何時も試聴の際に利用するチェロのソロなどの耳触りは、中域の押し出しが強いオルトフォンの方に軍配が上がります。でも、解像度は日本オーディオかな。トランペットの響きや、これまた試聴の際に用いる「1812年」の本物の教会の鐘も、一音一音がクッキリ響きます。"繊細"と言う表現もできるかもしれません。
これまた聴く音楽によって好みは別れるところですが、折角なので暫く使ってみます。

さてさて、ここでもう一つおまけ。
これまた以前、ハイファイ堂のサイトで発見して気になっていたのが、ケーブルクランプ(株式会社中村製作所PCCR-01 Pd:※同社サイトはコチラ(最下段))
中村製作所ケーブルクランプPCCR-01(同社サイトより)
同社はトランスで有名ですが、コレ、なんかメカメカしていてカッコ良いなと思った次第。何事も見た目が肝心です。
恐らく「音が締まる」とか何とか効能をたれるのだろうと思うのですが、本日立ち寄ったaudiounionアクセサリー館のショーケースにその姿を発見!中古が半額以下で扱っていたものですから、つい購入(6,264円のところ2,500円也)。
で、早速AET PSE-018HGに装着しますが、このクランプのネジは超貧弱。AETプラグに元から付いているネジの半分程度の径しかない。締め込んでみても何とも頼りなくて、ここは改善が必要ですね。そして、簡単に装着完了。
AET PSE-018HGに取り付けてみた(勿論左側)
まあ、見た目は勇ましくなりましたね。隣に挿したケーブルも同じプラグでしたので比較すると・・・見た目は豪華。音的には、うーん、予想通り大きく変わるものではないですねぇ。AETのプラグは元々のクランプがしっかりしているので、この部分が貧弱なプラグの場合はもう少し効果があるかしら?? ま、見た目重視で、取り敢えず。

2016年2月4日木曜日

便利!マグネット式充電ケーブル。

ほぼ毎日、接続し抜くという作業が伴うのがスマホの充電ジャック(MicroUSB)へのケーブル抜き差し。位置決めしたりプラグの向きを確認したりと面倒なだけでなく、本体のジャックに負荷もかかるので雑に扱いにくく、一層面倒。
そんなあなたに!と言うか私にピッタリと思って購入したのが、コレ!
マグネティック・ケーブル MagTouch
内部写真
Mag Touch microUSB P2というこの商品、スマホ側のジャック (凹)にプラグパーツ(凸)を指しておき、ケーブル側の端子と磁石でドッキングするという代物。
左がスマホ側に挿すコネクター
2,980円(税込)にてイケショップで販売している(※コチラ)。
ケーブルの向きはどちらでも良く、向きを考えず近づけるだけでピタッとドッキングするので楽だし、急速充電にも対応している優れもの。ちなみにパッケージにはプラグパーツが2個同梱されているし、イケショップの店頭では、ケーブルだけでも、プラグパーツだけも販売していた。

さて、早速通常使用しているスマホ に装着すると・・・。
浮いている・・・
なんと、浮いてしまっている。ジャックが浅いようだ。ケーブルをつないで抜くとケーブル側にプラグ部分がくっついてしまい、私の場合は意味が無いことが判明。試してみなければ解らないものですね・・・。やむなく予備バッテリーに装着。此方は上手くいった。
私の場合は少し残念だったが、ジャックさえ合えば非常に便利な商品であります。(但し、充電中に横方向の力を加えるとポロリと簡単に外れてしまいますけどね)
Lightning端子用の商品もあり(※コチラ)、MicroUSBタイプとケーブルを兼用できるとモノ凄く便利なのですが、配線の違いで互換性はないそうです。うーん、これも残念だが仕方ないか。
ところで「イケショップ」といえば、以前より「qi」を積極的に扱っているショップ。このため暫しお店の方と「なかなか普及しないですねぇ」と愚痴をこぼしあいました。やっぱりスマホに標準搭載されなくなったのが敗因ですねと。便利なんですけど電圧が低いから時間もかかpるし、実は私も使わなくなりました・・・。

【追補】
上記の写真のように、プラグの左右の翼(張り出した部分)は思いの外大きい。マグネットの安定上仕方ないのだろうが、要注意。私のスマホ(DM016SH)はジャックの深さだけではなく、ケースに収めようとすると引っかかってしまう。また他の端末もジャック部の近くにボタンがついていたりと、予想外に使えない端末が多かった。ジャック部周辺の造りを確認した方が良さそうです。

2016年1月21日木曜日

バッハ 無伴奏チェロ組曲(全曲) を色々と漁ってみた。

チェロの音色が大好きだ。
しかもソロが良い。ピアノは邪魔。
と言う訳で、バッハ:無伴奏チェロ組曲が何より心地良いのです。
そこで、ネット上の評価を見ながら色々と漁ってみました。同じ楽曲をここまで集めるのは初めて。中には猛者がいらっしゃって、311枚所有されている方も(※サイト管理者 T.S.さんのサイト「CD試聴記」はコチラ) 。桁が違いすぎますが、私が選んだ一覧を作ってみました。具体的な内容がわかるようAmazonのリンクもつけておきます。
総じて皆さん、この楽曲をリラックスし、愉しげに弾いていらっしゃるのが伝わってきます。

最初に手に入れたのが、このSACDでした。
Gavriel Lipkind (2007/4/3)


ネット上でベタ褒めの人が多い一方で、若干録音や弾き方に癖があると否定的な人もいらっしゃる一枚。でも私は好きです。残響音が豪勢に乗っかっていますが、浸れるので私には却って気持ち良い。SACDなので、響き、特に低音部の美しさが尚更。弾き方は「ご本人が心のままに気持ちよく弾いてるな」という印象です。
最初に入手したのがこの一枚だけに、その後の私にとってのこの曲の“基準”となってしまいました。

次は“さりげなく、やさしく”のこの方。
Yo-Yo Ma (2012/12/5)


このCDを出す以前にも一枚出していますが、ネット上ではこの一枚の方が、ご本人が気の向くままに弾いているとの評価があったのでこちらを選択。
聴いてみると、本当に軽妙な音。「上手なんだなぁ」とテクニックの鮮やかさが見て取れるような演奏は安心して聴くことができ、心地よくスッと中に入ってくる。朝のお目覚めに最適かも。朝の陽光を浴びながらテラスで弾いてもらっているような感覚に陥ります。

次に日本の大御所、堤剛さん。
堤剛 (2009/3/24)


正直言うと「まだご存命だったの?」という認識だったのですが(失礼!)、たまたまコンサートで生音を聴く機会があり、その音色の奥深さに痺れ、購入。この曲は3回目の録音と言うことになるのでしょうか。それにしても、人となりが音にも出るものですね。飄々と温かく、そして丁寧。生真面目さと年輪が上手く層を為し、最も自然体の演奏かもしれません。

次は、これもネットでの評価が高かったのでセレクトした一枚。
Janos Starker (2007/11/7)


ヤーノシュ・シュタルケル。一人、ホールの中央で弾いている・・・そんな姿が目に浮かぶ一枚です。随所に“溜め”があって、体の揺れのリズムが微妙にズレますが、それも味。ホールの響きをゆったり纏った美しい一枚です。

さて、続いて「ベーシックな一枚」と評されるこの盤。
Pierre Fournier (1996/12/20)


ピエール・フルニエ。発売年以上に古めの音に聴こえますが、楽器のせいかしら?
兎に角真面目に弾いている感じ。一音一音をきちんと伝えようと、そう、誰かに教え諭すような弾き方。面白味には欠けるけど聴きやすいかもしれません。

続きまして好きな人にはカリスマ的人気のこの方。
Mischa Maisky (1999/12/22)


スタート直後はもの凄く癖のある一枚。何しろテンポの速さに驚かされる。
最初は「どうなることやら・・・」という感じになるが、二曲目の「組曲 第1番 ト長調 BWV1007 Ⅱ.Allemande」以降は力みが消えて良い感じ。録音としてはONではなく、むしろ少しOFF過ぎるかなと言った印象。ホール後方で聴いている感じの聴こえ方。
演奏そのものは、やっぱり「抒情派」ですね、この方は。

これは絵づらが気になって選んだ一枚。
Alexander Kniazev (2004/4/21)


アレクサンドル・クニャーゼフさんは、病気やら事故やらを乗り越えて「奇跡のチェリスト」と言われているそうですね。「自分の信じるバッハ像を描き続けている」とCDジャーナル・レビューに書かれているそうですが、こちらも出だしは速い速い。でもその後はこれもまた非常に抒情的。嫋やかに音が紡がれます。通常二枚のCDが三枚になっているのですから思い入れたっぷりです。残響音はやや多め。おそらく繰り返し聴くことになるであろう一枚です。

これも絵づらで気に入って入手した一枚。
Roel Dieltiens(2010/7/3)


ロエル・ディールティエンスさんは「古楽大国ベルギーの名チェリスト」と称される方。この盤はインポート版故にAmazonでは日本語(例えば「バッハ 無伴奏 チェロ」)で検索しても引っかからず「Complete Cello Suites dieltiens」と検索してようやく発見に至りました。過去にもう一枚出しており、新盤も含めてMP3で入手可能です(※旧盤はコチラ)。新旧をAmazonの試聴で聴き比べると、旧盤の方はかなり昔の録音のような音に仕上げられています。
HMVサイトでの紹介文を見ると「無伴奏チェロ組曲の楽譜を1から見つめ直し、正攻法のアプローチでありながらも、ダイナミクス、フレージング、テンポなど、全ての面にこれまでの経験に基づいた独自の解釈を採り入れたディールティエンスのバッハ。(東京エムプラス)」とのこと。
残響音はやや多めで、チェロらしい低音を強調したサウンド。確かに節回しは独特です。この方の癖なのか、楽器を叩く音がものすごく大きく、まるでバックでコンガを叩いているかのように聴こえるほど。


日本人二人目となるこの方。
藤原真理 (2010/9/22)


つい最近再録音され、リリースされていますが、これは古い方の一枚です。新録音の方は48kHz/24bitではありますが、flac音源でも配信されていますね(※e-onkyoのページはコチラ)。因みにこの盤にはBlue-SpecCDとそうではないものと両方あるようなので注意が必要。Blue-Specの方が良い音、の筈ですよね??
さて、この盤の感想としては「優等生が模範演奏しました」という感じ。想いが籠った、というのではなく「淡々と正しく弾きました」という。e-onkyoの試聴で先に紹介の二回目の録音(2014年)と比べてみると、基本は一緒だなと思いますが、若干二回目の方が独自の節回しが込められているよう。あと、二回目の方がマイクがONで録られている感じでした。

急遽エントリーしたのが、アルナウ・ト-マス・レアルプ。
Arnau Tomàs(2014/12/2)


実は、Amazonで「無伴奏チェロ」で検索したら偶々見つけた盤で、Amazon Primeで無料で聴けるものですから聴いてみたという一枚です。この方、1997年にマドリッドで結成された「カザルス四重奏団」のチェリストで、見た目よりお若いのですね。巨匠の名を冠した四重奏団で、しかもチェリストですから、当然その実力は認められた方なのでしょう。
録音の方は残響音がテンコ盛り。演奏としては余り癖がなく、普通に聴ける感じ。但し、途中、ご本人の息遣いと思われる「シュー」という音が入っていて若干耳障り・・・。
彼以上に「カザルス四重奏団」に興味が擡げました。

そして、最後の一枚はその御大登場。
Pablo Casals(2000:Rec.1938.6.2)















「最後のカザルス録音」だそう。レーベルはクラシカ・ジャパンで非売品。偶々disk unionで見つけて購入した一枚で、ハイドン チェロ協奏曲第2番、ピアノ三重奏曲ト長と共に収蔵されています。Amazonでも見当たらない盤ですね。
古い録音はあまり好きではなく、カザルスも1、2枚しか所有していませんが、この盤もまた古風な音になっています。「ちょいと立ち寄って、サラリと弾いてみたよ」といった風情で、構えておらず、スラスラとテンポよく、「こんな感じだよね」と仰っているような音色です。

以上、相変わらずつたない感想でしたが、面白かったです。
突然、毎日繰り返しバッハを聴いている私を、奥さんはどう思った事でしょう??