2017年8月11日金曜日

桐のスピーカー

Stereo Soundのメルマガで知ったONKYOの桐スピーカー。(※Stereo Soundの紹介サイトはコチラ、販売ページはコチラ
東京駅八重洲口のONKYOショールームで試聴できるようなので、早速行ってみました。実は価格を一桁勘違いして、真剣に「良ければ買っちゃえ」くらいに思って出向いていたのです・・・。
ONKYO桐スピーカー(同販売サイトより)
ONKYOショールーム一階のスペースはオープンな場で、もしも周囲に他のお客さんがいればじっくり聴くことはできません。さらに、きっと試聴用CDは色々揃えてるだろうと勝手な解釈で手ぶらで行ったところ、聴けるコンテンツはネットワークプレイヤーに入れてあるごくわずかなモノだけ。音源はやっぱりe-ONKYOのコンテンツばかりで、ネットワークプレイヤーもONKYOで、クラシックもウィーンフィルやオザワキネンオーケストラ、辻井さんのピアノソロなどごくわずか。

さてご対面です。見た目は想像以上に小さくてびっくり。仕上げは美しいですが、地味っちゃー地味。
そして肝心の試聴。結論から先に。非常に心地良い一品です。音の厚みは望めないが、響き、広がりに優れた、欠点が少ないスピーカーです。
まず聴いてみたのはクライバー・ウィーンフィルのベートーベンの5番(※音源はコチラ)。
これは微妙でした。オーケストラならではの音がうち重なる様、ハーモニーの重層感が伝わってこない。普通、といった感じでしょうか。正直、出鼻をくじかれた観があります。
次にRADWIMPS(※音源はコチラ)。実はこれはショールームのご担当の一押しコンテンツのようです。これは確かにキレイでキラキラしている。良いですね。
続いては渡辺香津美・押尾コータローさんのギター(※音源はコチラ)。これも素晴らしい。一音一音がクッキリしていて余韻も美しい。音が輻輳するものよりシンプルな音源をキラリと表現するのに優れてるなという印象ですね。
ついでに参考までにと鼓童(※音源はコチラ)を聴いてみました。迫力は期待できないものの低音はシッカリしているのには感心しました。付属のオリジナル・木製スタンドは背が低いのでスピーカー見下ろすような位置に置いてあるのですが、音場はきちんと上部に展開する。これも素晴らしい。

で、感じたことを纏めてみると、
 ・単音がクッキリしていて抜けが良い。
 ・定位はしっかりしている。
 ・兎に角、響きが美しい。
といったとこでしょうか。

私の前に試聴していたご夫婦は「疲れない」と、しきりに言っていて、すぐに買いそうな勢いでした。けっしてオーディオには詳しくなさそうでしたが。
聴く価値は充分ありますよ、本当に。

そして自宅に戻って、同じコンテンツをマイ・システムで試聴してみました。 うーん・・・。
無音部の静けさや余韻の美しさは確かに「桐スピーカー」の勝利。それは認めます。でも、120万円でしょお・・・?うーん。考えてしまいます。

あ、そうそう。先述のように視聴用のソースは滅茶苦茶少ないですから、試聴に出向かれる際はCDをお持ちになることをオススメします。でも、SACDは環境を整えていないそうで、聴けませんのでご注意ください。マリンバやチェロのソロを聴いてみたいな。

2017年5月13日土曜日

フォース・プレゼンツ! アクセサリー試聴会。

今週末はオーディオ三昧。
土曜日はaudiounionアクセサリー館(※コチラ)でのイベント、フォース・プレゼンツ『アクセサリー / ビフォー・アフター』。
イベント風景
カジハラ・ラボ、サエクコマース、ポーカロ・ラインという3社連合軍「フォース」の各社扱う最新のアクセサリーをフューチャーした体験試聴イベントです。(以下の製品写真は各社ページからお借りしました)

先鋒はSAEC。[サエクコマース株式会社(※コチラ)]
・STRATOSPHEREシリーズ スピーカーケーブル:SAEC / SP-10 ¥105,000 (1.5mペア) (税別)(※コチラ
スピーカーケーブル / SP-10
・STRATOSPHEREシリーズRCAケーブル:SAEC / SL-1 ¥260,000 (1.2m) (税別)(※コチラ
RCAケーブル / SL-1

以前(※コチラ)、聴かせていただいているので、正直、格別な感想はないが、やはり素晴らしい。ノイズは表皮を走るので、芯線の周りに絶縁体で包んだケーブルをグルリと巻いた構造になっている。今回は手作り感満載のケーブル構造図を用いての解説があり、非常に複雑な構造であること、その結果高価になることが解った。

中堅はカジハラ・ラボ。[株式会社カジハラ・ラボ(※コチラ)]
・MCフォノカートリッジ:IKEDA Sound Labs. / IKEDA9XX ¥460,000(税別)(※コチラ
IKEDA Sound Labs. / IKEDA9XX
・MCフォノカートリッジ:MUTECH / RM-KANDA ¥380,000(税別)(※コチラ
MUTECH / RM-KANDA
・グラウンドコントロールRCA保護キャップ:MUTECH / MU-RCAP ¥12,000 (2個入り) (税別)(※コチラ
MUTECH / MU-RCAP
・スピーカーターミナル用ノイズコンディショナー:MUTECH / MU-BNCAP ¥27,600 (4個入り) (税別)
MUTECH / MU-BNCAP

カートリッジの違いについては、50万円近いカートリッジ達なので、ただただ溜め息。まあ、驚くほどリアルです。ライブ感ハンパない。名匠・神田榮治さん(※関連記事はコチラ)の名前を冠したカートリッジは特に素晴らしかった。こちらも構造の解説付きでした。耳の保養。
そして、私にとってのメイン・イベントはこの後、グラウンドコントロールRCA保護キャップ!以前、評論家の本田雅一さんがFacebookでベタ褒めだったのでスゴく気になっていた品物です。本田さんの奥様もその変化に驚かれていたとか。ようやく聴くことができます。ワクワク。
さあ、空いていたプリメインアンプの入力端子に装着します。して、その結果は・・・うーん、期待したほどの変化は・・・。確かに音の明瞭さや厚みは増します。
そして次は5月21日発売予定の新製品。バナナプラグの端子に差し込むスピーカーターミナル用ノイズコンディショナー。
上側に刺さっているのがスピーカーターミナル用ノイズコンディショナー
これが素晴らしい!先程の変化と比べてはるかに大きな変化。音の圧まで違って聴こえます。4個入りながら、税別27,600円と少々お高いですが、金メッキの厚みも通常の10倍~20倍の2ミクロンで加工も難しく、やむを得ないとか。「スピーカーターミナル内部に起こる共鳴を防ぎ電気的振動から残留ノイズをコントロール」「オーディオ回路最下流のスピーカーの±・グランド端子を振動的電気的にアイソレーションし、残留ノイズの質を聴感的に好ましい方向にコントロールします」(以上、案内チラシより引用)とか。いやいや、これは欲しいかも。スピーカーケーブルをYラグにして、バナナプラグ端子に挿せば良いわけで、MAX興味津々。

そして大将枠がポーカロラインさん。[株式会社ポーカロ・ライン(※コチラ)]
・USB-AES/EBUアダプター:Mc Audio / UX-02 ¥70,000(税別)(※コチラ
Mc Audio / UX-02
・インシュレーター:AiTEC / Λ8.24 ¥18,000(税別)(※コチラ
AiTEC / Λ8.24
・c:Saidi audio / VC-66 ¥276,000(税別)(※コチラ
Saidi audio / VC-66
先ずはこれまた先日試聴させていただいたUSB-AES/EBUアダプター。
スネアの音が別物に聴こえます。ただ、本体価格7万円の他に、間を繋ぐデータ用のAES/EBUケーブルや電源用のスピーカーケーブルの価格も考えると相当な物になってしまいます。高嶺の花。
続いてAiTecのインシュレーター。これも以前、此処audiounionでの試聴会で聴かせていただいてますので効果のほどは体験済み。audiounionさんでも常にバックオーダーを抱えているようで、ポーカロラインさんによると、発注しても納品がなされない状態とか。ハンドメイドなんでしょうね。
敢えてDACの上に無造作に置いたノートPCとUSB HDDの下にそれぞれセットします。こちらもトライアングルの音の明瞭さが全く別物になります。やはり素晴らしい。何処に設置するのが効果的かを伺うと、効果の程度はそれぞれで、一つ購入した方は二つ目、三つ目と買い増しされるとか。詳しい解説が代理店にすら為されないそうで、「怪しいけど効果がある」としか説明できないと苦笑いされてました。
そしてトリは全自動レコードクリーニングマシーン。先ずは洗浄前のレコードを聴き、その後クリーニングして聴くというBefore & After。2分の洗浄と4分の乾燥という全自動洗濯機。洗浄液は市販の精製水にクリーナーをちょびっと加えるもの。洗浄液だけでなく、ブラシも結構汚れそう。でも、効果はスゴかった。洗浄前も充分素晴らしい音でしたが、洗浄後は音がクッキリして、変化にカジハララボの梶原さんも驚かれてました。いやはや、アナログ派必携ですね。

今回も二時間たっぷりアクセサリー三昧。あー楽しい!
さ、明日はOTOTEN(※コチラ)だ !!

2017年3月19日日曜日

PC-Triple C/EX! 高額ケーブル試聴は耳の保養。

SAECの新ケーブルを聴きに出掛けた。DYNAUDIOの販売を手掛ける 「on and on(※サイトはコチラ)」にて試聴会が開催されたので。そもそも、端から私にとっては「およびでない」価格帯の代物だったのですが、どのような音がするのかとても興味があり、お誘いを頂戴したので物見遊山でノコノコと。
その、興味をもったケーブルと言うのはコチラ(※Stereosoundの紹介ページはコチラ)。
PC Triple Cを銀で巻いたとな!0.7mで22万円とな!?・・・これでは到底手が出ませんが、聴くだけならと出掛けたという次第。

on and onの休日の試聴会は場所が場所だけに何時も空いていますが、今日も今日とて貸し切り状態。何時もの方々(SAEC、ポーカロライン、カジハラ・ラボの皆様)に囲まれて、いざ試聴。

スピーカーケーブルも新製品のコチラと贅沢な布陣。先ずは従来品RCAケーブルの最高機種(※コチラ。0.7m 86,000円也。)で、音源は敢えてPCを選択してみました。・・・言わずもがなで、良い音。沁みますねぇ。幸せなひと時です。
そしていよいよRCAケーブルを交換します。
おお!そもそも最初の一音から違う!音が艶っぽい!密度が濃いのは勿論、低域も高域も、撥音も、一音一音が明瞭でありながら“震え”までキメ細かく表現している。こいつぁスゲーや。
SAECの方曰わく、銀の筒にPC Triple Cを通した後、これをさらに鍛造して作成するのが「PC-Triple C/EX導体」(※販売代理店 プロモーションワークスのサイトはコチラ)。この導体一本毎を絶縁体で巻き、それを数本束ねることで生み出されたのがこの強そうなネーミングのケーブル「STRATOSPHERE」!
STRATOSPHERE カタログ
良いです、確かに。
先記のように艶っぽいですし、低音域もイヤらしくなく押し出す。SAECの方は「色づけせず、そのまんま出すイメージ」と仰ってましたが、誇張感は確かにありません。その後、アナログの女声も聴かせていただきましたが、本当に音の密度が高く、響きも美しく素晴らしい。
構造が複雑なだけに、価格も合点が行くとはいえ、如何せん価格が・・・。「もう少し構造をシンプルにした廉価版は?」とお聞きしたところ、その可能性はある、とのこと。聴いてみたいですね。尚、この導体を使ったケーブルはこの後アコリバからも出るようです。確か、PC-Triple Cが出た時、電源ケーブルを販売したのもこの順番だったような。

さて、本日は一緒にポーカロラインさんのUSBアダプターも聴かせていただきました。実はその前の週にオーディオユニオンで試聴会があったのですが、私が風邪をひいてしまって伺えず、ポーカロラインさんのご厚意により比較試聴させていただきました。それが、MC AudioのUSB-AES/EBU アダプター UX-02(※同社製品サイトはコチラ)。要はUSBの信号と電源を分離して、TypeA端子(PC側)とTypeB端子(DAC側)の間をAES/EBUケーブルで接続するアダプタなのだが、面白いのが電源系はスピーカーケーブルを使用すること。よって、AES/EBUケーブルによっても、電源用として使用するスピーカーケーブルによっても音が変わると言う訳。「MC Audio」はカーオーディオを中心に活動していた会社だそうです。
さて、この日は、AES/EBUケーブルをACROLINK(※同社製品サイトはコチラ)とSAECの新ケーブル(未発売)を比較していただきました。SAECの新ケーブルの低音域の厚みが抜群でした。SAEC製USBケーブルと比較すると、このアダプタを使い、さらにAES/EBUケーブルを変えるに至ってどんどん深みが増し、どんどんアナログの音に近づく感覚に陥りました。溜息が出ます。
かくして、キリがない世界は続きます・・・。

2017年3月5日日曜日

ケーブルの制振対策の新案!

先日のRCAケーブル試聴会(※過去記事はコチラ)で、ナノテックシステムズさんのケーブル制振のジョイントの現物を拝見して、ふと思い出したのがこれ。
アイリスオーヤマ メッシュパネルジョイントMPA-J
ホームセンターとかでも販売されているのではないでしょうか。私は楽天で196円で5セット購入(送料は680円!)。
ナノテックの物はクリアのプラスチック製で2カ所ビス止めですし、穴の径は当然ケーブルがちょうど収まるサイズだ、という違いはあれど予想通り、構造はそっくりです。期待大。ケーブルがメッシュパネルの針金(?)の径より太いため、ビスを長い物に変更する必要があります。(アイリスオーヤマのジョイントは5.5mm径用でした)
最終的パーツ構成
ビスはM4で、長さは20mmあれば充分(ナノテックの物が六角ナットだったので真似してみました)。ついでに緩み止めのために同じサイズのナイロンナットも購入。また、ケーブル径が太くてジョイント同士が浮いてしまうので、AETのVFEシリーズ(※同社製品サイトはコチラ)を挟み込みました。これがまた、縦に真っ二つに切るとサイズぴったり。
かくして信号の送り出し側と受け取る側の両方に装着してみます。その結果、装着したケーブルの箇所なのか、ケーブル形状なのか、効果が見られるものと見られないものとが混在していました。最も効果が見られたのは、CDのアナログアウトプットのケーブル(Zonotone 6NAC-Granster 3000α)に取り付けたもの。音の滲み(というかぼんやりした感じ)が払拭されてクッキリします。何度かつけたり外したりして確かめましたし、CDでもSACDでも同様の効果が得られたので、ひとまずはやってみる価値があるのではないでしょうか。ケーブルの抜き差しはしにくくなりますけれど・・・。
こんな感じの仕上がり。奥はChord。
ケーブルの制振は効果ありますね。電源ケーブルの制振では、かないまるさんがプチブルゴムを使った方法を紹介されています(※コチラです)。あまりにビミョーなんで、聞き分け難度は高いですが、今回の実験によって改めて興味が湧いてきました。今回のジョイントにもテープ状の制振材も貼り付けてみようかしら?あまりやり過ぎると逆効果になるようですが。

2017年2月26日日曜日

国産RCAケーブル比較試聴会。(怪しい集い・・・)


メグ・ジャズ・オーディオ愛好会「国内RCAケーブルー斉試聴会 後編」に行ってきました。

場所は吉祥寺のJazzBar「メグ」(※同店サイトはコチラ)。時間は19時~22時という長丁場です。
此方で毎月実施している「メグ・ジャズ・オーディオ愛好会」のvol.81で、この回は衛星ラジオ放送“ミュージックバード”のオーディオ専門番組「オーディオ実験工房(※番組紹介サイトはコチラ)」との連動イベントでした。同番組の「RCAケーブルー斉試聴(2016年12月~2017年2月放送)」で登場した、国内メーカー20社のRCAケーブル、総勢37ペアを比較するイベントの後編です。1月開催の前編では21製品を試聴したそうですが、この日は19製品の聴き比べです。

司会は同番組のパーソナリティでもある「みじんこ」こと、小柳出電気の荒川さん。機材はCDプレーヤーLUXMAN D-08u/プリアンプLUXMAN C-900u。そして、使用する曲は、吉田美奈子さんのボーカル。「PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO」の中から「WALTZ FOR DEBBY(多分・・・)」の一部を延々と繰り返します。頭の中でずっと曲がリフレインしていて、いやいや参りました。

私は今回初めて出向いたのですが、お店に入った途端の怪しい雰囲気。結構年配の方がズラリと居並ぶ店内に、若輩者の私が入って行く感じ。ゾノトーンは会長、社長の揃い踏みだし、数社の社長やご担当がお見えになっていました。メディアも数社。
そして、いよいよ試聴の始まりです!
  1. カナレ:L-2T2S(みじんこ荒川自作品 標準的なケーブルとして最初に聴きます。)
  2. アコースティックリバイブ(※コチラ):LINE-1.0R-TriplC-FM 28,000円/1mペア
  3. アコースティックリバイブ:RCA-TriplC-FM I98,000円/1mペア
  4. アスカ(※コチラ):AS-1000R-F 60,000円/1mペア
  5. アスカ:AS-1000R-F 60,000円/1mペアとRCA-MASTER 148,000円ペアのセット
  6. アスカ:AS-1000R-FS 90,000円/1mペア
  7. アスカ:AS-1000R-FS 90,000円/1mペアとRCA-MASTER 148,000円ペアのセット
  8. ナノテック・システムズ(※コチラ):#211/F1-RCA 23,500円/1mペア
  9. ナノテック・システムズ:MS211KR 45,000円/1mペア
  10. ゾノトーン(※コチラ):7N AC-Granstar5000α 40,000円/1mペア
  11. ゾノトーン:Royal Spirit AC1 66,000円/1mペア
  12. ティグロン(※コチラ):MS-DF12R 32,000円/1mペア
  13. ティグロン:MGL-R10 78,000円/1mペア
  14. ラックスマン(※コチラ):JPR-100 10,000円/1mペア
  15. ラックスマン:JPR-1000 33,000円/1mペア
  16. アクロリンク(※コチラ):7N-A2050III 20,000円/1mペア
  17. アクロリンク:7N-DA209C SPECIALE 150,000円/1mペア
  18. オーディオノート(※コチラ):XSL-VzII 120,000円/1mペア
  19. オーディオノート:LS-41 340,000円/1mペア
  20. ジェイアールサウンド(※コチラ):LC202SW オープン実売50,000円/1.2mペア
  21. 47研究所(※コチラ):0.4mm単線1,200円/+OTA KIT 7,000円/1mペア
(以上、価格は税抜き)

これを、ひたすら順に聴いて行きます。
各社普及タイプ(とはいえ高価ですが)とハイエンドタイプの比較ができるのが嬉しいところ。各社の二機種が終わった時点で挙手で好きな方を聞いて行くという手順で粛々と進められます。

まずは荒川製カナレ。廉価版の中では荒川さんオススメとか。でも好きな音ではなかったかな。音が荒くて雑な印象。
次にアコリバ。会場の多くの方が何らかのアコリバ製品をお持ちのよう。確かにボリュームがアップしたし、音も明快。でも私は耳障り。ハイエンドの方がマシという違い。
次はアスカ。初めて聴くアスカ製品でした。アスカの指定でRCA-MASTERをつけるとあったそうで、有る無しを実験します。素の音の傾向はナチュラルを目指しているようで、確かに先のアコリバほどのアタックの強さはないけれど、好きな感じではなかった。アタッチメントを付けると大人しくなってマッタリするが、148,000円って、ねぇ・・・。
続いてナノテック・システム。以前、試聴会で聴いて気に入ってラインと電源、両方所有しているので期待してました。ハイエンドの型名にある「KR」は韓国からの依頼によって作ったバージョンで、線は全く同じでプラグが違うのとメッシュチューブを巻いただけのよう。比較すると・・・私だけでなく多くの方が安い方に一票!落ち着いた音色でアタック音もキツくなく、バランスが非常に良い。いやいや、私が好きな音がやっと出てきました。加えて秘密兵器も登場。左右のケーブルを繋ぐプラスチックのアタッチメントで、これがまた凄く印象が変わるんです。まあ好き好きで、外した方が好きという方も多かったのですが、私は絶対装着派。「外した方が音が元気になる」と評する方がいましたが、私は外すと「音が暴れる」と感じました。2セットで8,800円。振動の制御を行うそうで、プラグに近い箇所への装着が効果大だとか。6ミリ径のケーブルならナノテック製でなくても使用可能で、もうすぐカタログに掲載されます。この考え方を他の方法で実現できないかと考える私。
次はゾノトーン。先記のように会長、社長揃ってお見えになり、社長が製品解説。ハイエンドタイプはケーブルの線質や構成は同じだが、各線をシールドして構造は別物で左右一体化。音像が引っ込むけど広がりが出るとの説明でした。実際に試聴すると、正に言い得て妙。その通りになって、私の好みは後者。これも会場の好みは分かれました。
そしてティグロン。ここで片チャンネルから音が出ないトラブル発生。皆がケーブル疑いましたが、CDプレイヤー再起動で復活。機器にとってもハードな状況のようですね。
気を取り直して試聴再開。低音が落ち着いた、好きな感じ。目立った印象は無いのですが好きな傾向で、ハイエンドタイプは価格差程の違いは感じられず。
次はラックスマン。安い方は全く駄目でしたが、ハイエンドタイプは予想外に良かったです。音の密度が高く、CDとSACDの違いといったイメージ。
さらにアクロリンク。ベーシックタイプは特長が希薄でしたが、ハイエンドタイプは「むむっ」と身を乗り出す感じ。値段を考えなければベストかも。密度が濃くて滑らかで驕らず騒がず落ち着いたサウンドを醸します。予想外に好みでした。
さて、これも初めてのオーディオノート。海外展開から国内に目を転じた超ハイエンドブランド。銀線のサウンドは、高音も嫌らしく響かず関心はしましたが、価格が価格だし、費用対効果を考えると一般人はお呼びでないですね。
そしてジェイアールサウンドは業務用機器を扱ってきた企業だそう。社長がお見えになって「インピーダンスを合わせる」ことを強調してました。サウンドはクセがなく聞きやすい感じ。
そして最後が47研究所。これがダークホース。最後ということもあったかもしれませんが、皆さんある意味、最も印象が残ったかもしれません。独自の構造で本日ダントツ最安値。ところがサウンドはクセがなく明快そのもの。多分取り敢えず買います、これ。

さて、実はこの他に番外編が。私の隣にお座りの方が、片っ端から回ってくるケーブルのプラグ部分に磁石をあてていて、何だろうと思っていたのですが、この方、出川式電源のA&R社の社長でした(※同社サイトはコチラ)。磁石をあてていたのは、昨今、金メッキの下地にニッケルメッキを行った物が殆どで、ニッケルメッキは磁石にくっつくので試したそう。ニッケルと銅は電位差があるため、電子の移動が発生してしまうとのこと。出川氏が今回試したところ、殆どのプラグがニッケルメッキを行っていたようだ。
今回、実験としてゾノトーンの製品と、プラグを出川氏推奨品に変更したものとで試聴を行った。 結果は確かにプラグを変更したものの方が良いという方が多数を占めた。そのプラグとは何かというと、モガミの一個450円の品(※おススメの「7551」の同社製品サイトはコチラ)。拍子抜けです。
また、ファインメットなどの磁石も勧められないとのご意見。確かにSNは良くなるものの、信号の流れが阻害されるため、影響が出るとのこと。

うーん。色々と迷います。いずれにしても好みはバラバラで、NO.1を決められるはずもなく、結局は「好き好き」という結論。曲によっても違うし、何が良いのか決められませんね。ちなみに私の近くにお座りの3名の一致した意見は、一等賞は「ナノテック・システムズ:#211/F1-RCA 23,500円/1mペア(※コチラ)」 。ケーブルだけだと1m4,000円台だし、ちょっと試す価値あるかもしれません。
価格を考慮しないで個人的順位をつけるとすれば、

  1. アクロリンク:7N-DA209C SPECIALE 150,000円/1mペア
  2. ナノテック・システムズ:#211/F1-RCA 23,500円/1mペア
  3. ゾノトーン:Royal Spirit AC1 66,000円/1mペア
  4. ラックスマン:JPR-1000 33,000円/1mペア

特別賞は「47研究所:0.4mm単線1,200円/+OTA KIT 7,000円/1mペア」で、これは即買いですな。オヤイデ通販で扱っています(※オヤイデブログはコチラ)。
このイベントの翌日はビッククロの月例イベントで麻倉先生の「新世界を聴く」で二時間どっぷり。二日間楽しかったけれど、集中して聴くだけに、決して耳の保養にはならなかったかもしれません・・・。