2017年2月26日日曜日

国産RCAケーブル比較試聴会。(怪しい集い・・・)


メグ・ジャズ・オーディオ愛好会「国内RCAケーブルー斉試聴会 後編」に行ってきました。

場所は吉祥寺のJazzBar「メグ」(※同店サイトはコチラ)。時間は19時~22時という長丁場です。
此方で毎月実施している「メグ・ジャズ・オーディオ愛好会」のvol.81で、この回は衛星ラジオ放送“ミュージックバード”のオーディオ専門番組「オーディオ実験工房(※番組紹介サイトはコチラ)」との連動イベントでした。同番組の「RCAケーブルー斉試聴(2016年12月~2017年2月放送)」で登場した、国内メーカー20社のRCAケーブル、総勢37ペアを比較するイベントの後編です。1月開催の前編では21製品を試聴したそうですが、この日は19製品の聴き比べです。

司会は同番組のパーソナリティでもある「みじんこ」こと、小柳出電気の荒川さん。機材はCDプレーヤーLUXMAN D-08u/プリアンプLUXMAN C-900u。そして、使用する曲は、吉田美奈子さんのボーカル。「PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO」の中から「WALTZ FOR DEBBY(多分・・・)」の一部を延々と繰り返します。頭の中でずっと曲がリフレインしていて、いやいや参りました。

私は今回初めて出向いたのですが、お店に入った途端の怪しい雰囲気。結構年配の方がズラリと居並ぶ店内に、若輩者の私が入って行く感じ。ゾノトーンは会長、社長の揃い踏みだし、数社の社長やご担当がお見えになっていました。メディアも数社。
そして、いよいよ試聴の始まりです!
  1. カナレ:L-2T2S(みじんこ荒川自作品 標準的なケーブルとして最初に聴きます。)
  2. アコースティックリバイブ(※コチラ):LINE-1.0R-TriplC-FM 28,000円/1mペア
  3. アコースティックリバイブ:RCA-TriplC-FM I98,000円/1mペア
  4. アスカ(※コチラ):AS-1000R-F 60,000円/1mペア
  5. アスカ:AS-1000R-F 60,000円/1mペアとRCA-MASTER 148,000円ペアのセット
  6. アスカ:AS-1000R-FS 90,000円/1mペア
  7. アスカ:AS-1000R-FS 90,000円/1mペアとRCA-MASTER 148,000円ペアのセット
  8. ナノテック・システムズ(※コチラ):#211/F1-RCA 23,500円/1mペア
  9. ナノテック・システムズ:MS211KR 45,000円/1mペア
  10. ゾノトーン(※コチラ):7N AC-Granstar5000α 40,000円/1mペア
  11. ゾノトーン:Royal Spirit AC1 66,000円/1mペア
  12. ティグロン(※コチラ):MS-DF12R 32,000円/1mペア
  13. ティグロン:MGL-R10 78,000円/1mペア
  14. ラックスマン(※コチラ):JPR-100 10,000円/1mペア
  15. ラックスマン:JPR-1000 33,000円/1mペア
  16. アクロリンク(※コチラ):7N-A2050III 20,000円/1mペア
  17. アクロリンク:7N-DA209C SPECIALE 150,000円/1mペア
  18. オーディオノート(※コチラ):XSL-VzII 120,000円/1mペア
  19. オーディオノート:LS-41 340,000円/1mペア
  20. ジェイアールサウンド(※コチラ):LC202SW オープン実売50,000円/1.2mペア
  21. 47研究所(※コチラ):0.4mm単線1,200円/+OTA KIT 7,000円/1mペア
(以上、価格は税抜き)

これを、ひたすら順に聴いて行きます。
各社普及タイプ(とはいえ高価ですが)とハイエンドタイプの比較ができるのが嬉しいところ。各社の二機種が終わった時点で挙手で好きな方を聞いて行くという手順で粛々と進められます。

まずは荒川製カナレ。廉価版の中では荒川さんオススメとか。でも好きな音ではなかったかな。音が荒くて雑な印象。
次にアコリバ。会場の多くの方が何らかのアコリバ製品をお持ちのよう。確かにボリュームがアップしたし、音も明快。でも私は耳障り。ハイエンドの方がマシという違い。
次はアスカ。初めて聴くアスカ製品でした。アスカの指定でRCA-MASTERをつけるとあったそうで、有る無しを実験します。素の音の傾向はナチュラルを目指しているようで、確かに先のアコリバほどのアタックの強さはないけれど、好きな感じではなかった。アタッチメントを付けると大人しくなってマッタリするが、148,000円って、ねぇ・・・。
続いてナノテック・システム。以前、試聴会で聴いて気に入ってラインと電源、両方所有しているので期待してました。ハイエンドの型名にある「KR」は韓国からの依頼によって作ったバージョンで、線は全く同じでプラグが違うのとメッシュチューブを巻いただけのよう。比較すると・・・私だけでなく多くの方が安い方に一票!落ち着いた音色でアタック音もキツくなく、バランスが非常に良い。いやいや、私が好きな音がやっと出てきました。加えて秘密兵器も登場。左右のケーブルを繋ぐプラスチックのアタッチメントで、これがまた凄く印象が変わるんです。まあ好き好きで、外した方が好きという方も多かったのですが、私は絶対装着派。「外した方が音が元気になる」と評する方がいましたが、私は外すと「音が暴れる」と感じました。2セットで8,800円。振動の制御を行うそうで、プラグに近い箇所への装着が効果大だとか。6ミリ径のケーブルならナノテック製でなくても使用可能で、もうすぐカタログに掲載されます。この考え方を他の方法で実現できないかと考える私。
次はゾノトーン。先記のように会長、社長揃ってお見えになり、社長が製品解説。ハイエンドタイプはケーブルの線質や構成は同じだが、各線をシールドして構造は別物で左右一体化。音像が引っ込むけど広がりが出るとの説明でした。実際に試聴すると、正に言い得て妙。その通りになって、私の好みは後者。これも会場の好みは分かれました。
そしてティグロン。ここで片チャンネルから音が出ないトラブル発生。皆がケーブル疑いましたが、CDプレイヤー再起動で復活。機器にとってもハードな状況のようですね。
気を取り直して試聴再開。低音が落ち着いた、好きな感じ。目立った印象は無いのですが好きな傾向で、ハイエンドタイプは価格差程の違いは感じられず。
次はラックスマン。安い方は全く駄目でしたが、ハイエンドタイプは予想外に良かったです。音の密度が高く、CDとSACDの違いといったイメージ。
さらにアクロリンク。ベーシックタイプは特長が希薄でしたが、ハイエンドタイプは「むむっ」と身を乗り出す感じ。値段を考えなければベストかも。密度が濃くて滑らかで驕らず騒がず落ち着いたサウンドを醸します。予想外に好みでした。
さて、これも初めてのオーディオノート。海外展開から国内に目を転じた超ハイエンドブランド。銀線のサウンドは、高音も嫌らしく響かず関心はしましたが、価格が価格だし、費用対効果を考えると一般人はお呼びでないですね。
そしてジェイアールサウンドは業務用機器を扱ってきた企業だそう。社長がお見えになって「インピーダンスを合わせる」ことを強調してました。サウンドはクセがなく聞きやすい感じ。
そして最後が47研究所。これがダークホース。最後ということもあったかもしれませんが、皆さんある意味、最も印象が残ったかもしれません。独自の構造で本日ダントツ最安値。ところがサウンドはクセがなく明快そのもの。多分取り敢えず買います、これ。

さて、実はこの他に番外編が。私の隣にお座りの方が、片っ端から回ってくるケーブルのプラグ部分に磁石をあてていて、何だろうと思っていたのですが、この方、出川式電源のA&R社の社長でした(※同社サイトはコチラ)。磁石をあてていたのは、昨今、金メッキの下地にニッケルメッキを行った物が殆どで、ニッケルメッキは磁石にくっつくので試したそう。ニッケルと銅は電位差があるため、電子の移動が発生してしまうとのこと。出川氏が今回試したところ、殆どのプラグがニッケルメッキを行っていたようだ。
今回、実験としてゾノトーンの製品と、プラグを出川氏推奨品に変更したものとで試聴を行った。 結果は確かにプラグを変更したものの方が良いという方が多数を占めた。そのプラグとは何かというと、モガミの一個450円の品(※おススメの「7551」の同社製品サイトはコチラ)。拍子抜けです。
また、ファインメットなどの磁石も勧められないとのご意見。確かにSNは良くなるものの、信号の流れが阻害されるため、影響が出るとのこと。

うーん。色々と迷います。いずれにしても好みはバラバラで、NO.1を決められるはずもなく、結局は「好き好き」という結論。曲によっても違うし、何が良いのか決められませんね。ちなみに私の近くにお座りの3名の一致した意見は、一等賞は「ナノテック・システムズ:#211/F1-RCA 23,500円/1mペア(※コチラ)」 。ケーブルだけだと1m4,000円台だし、ちょっと試す価値あるかもしれません。
価格を考慮しないで個人的順位をつけるとすれば、

  1. アクロリンク:7N-DA209C SPECIALE 150,000円/1mペア
  2. ナノテック・システムズ:#211/F1-RCA 23,500円/1mペア
  3. ゾノトーン:Royal Spirit AC1 66,000円/1mペア
  4. ラックスマン:JPR-1000 33,000円/1mペア

特別賞は「47研究所:0.4mm単線1,200円/+OTA KIT 7,000円/1mペア」で、これは即買いですな。オヤイデ通販で扱っています(※オヤイデブログはコチラ)。
このイベントの翌日はビッククロの月例イベントで麻倉先生の「新世界を聴く」で二時間どっぷり。二日間楽しかったけれど、集中して聴くだけに、決して耳の保養にはならなかったかもしれません・・・。